隠居の独り言(808)

GWが過ぎていったが、GWを楽しみにしていた時代はいつの日だったろう。
休日が待ち遠しかった働き盛りの頃は感じなかったが最近ではカレンダーの
赤い数字の文字が鬱陶しいのは歳のせいか。GWに出かけるにも高速道路は
混んでいるしジパングも割引が無い。仕方ないので近くの公園へ孫を連れて
遊ばせていると気付いたのはベンチなどで休んでいる年寄りの多いことよ!
こちらは孫連れだからいいが、この孫も大きくなったらと思うと寒気がする。
同じ年寄りでも女性は仲間が多くお喋りに花が咲いているが、そこへくると
男性の大抵が孤高の人で、ただノンビリと一人でいる姿は、余計に淋しさを
漂わせている。中にはスーパーやデパートの椅子などに腰掛けて休んでいる
男性の年寄りは買い物するわけでなく何気なくいる感じで店側も迷惑だろう。
迷惑といえば地下の食料品売り場で混んでいる時間帯にも拘らずゆっくりと
散策しながら試食を味わっている年寄りもいる。誰も文句を言う人もいない。
この背景には男が定年で会社を辞めた日からの妻との確執が尾を引いている。
定年になって、妻も最初の頃は「長年、お疲れさま」とねぎらってくれても
一年が過ぎ何年か過ぎていくと互いに相手が鬱陶しくなる。働いている頃に
定年後はあれをしよう、これをしたいとの計画や希望も、年数が経つにつけ
萎んでいくのは老いの哀しさだ。夫婦は空気のようだと言った御仁もいたが
そんなキレイゴトじゃない!かくして家を追い出される羽目になって公園や
スーパーで時の経つのを待っている。まさに年寄りの悲哀だが、男たるもの、
ここのところを良く考えるべきで、今までの肩書きや夫の権威の全てを捨て
家事全般を自ら手伝う、打ち込める趣味を持つ、そしていつも妻に気遣う、
でも言うは易し、行なうは難しだが、人生は自分が演じる芝居とみていいが
ハッピーエンドになる最終幕の舞台は「幸せ上手」になる演出が欲しい。