隠居の独り言(817)

「ヨイショ」「ヨッコラショ」の掛け声で、老化が始まると言われているが
誰も齢とともに身体の働きがにぶくなるのは仕方ない。ただし始まる時期や
表れ方に個人差があるのは事実で、同じ70歳で一方では顔のシワも少なく
動作もキビキビとして姿勢のいい人もいれば、一方では顔の皮膚が垂れ下り
大義そうに歩く姿格好の人もいる。実の年齢より身体年齢が大きく違うのは
どうしてか?ひとくちに人は高齢者といっても65歳くらいまでは中高年と
体力は大して変わらない。その年齢辺りから老化現象の変化のスピードが
人によって大きく違ってくる。分かれ目の原因は身体面と精神面の二つ・・
身体面では、例えば若い時から同じ食事、飲酒の量を摂り続けていたなら
老化による消化器、呼吸器、循環器等の内臓の萎縮で身体がついていけず
加速度的に老化して糖尿病や高血圧症等の生活習慣病に侵されてしまう。
消化器の老化は消化不良、胃腸病、便秘などにつながり、呼吸器の老化は
息切れしやすくなる。循環器の老化は動脈壁にコレステロールが付着して
動脈が硬くなり高血圧の因になる。歳を取ったら、美酒美食、贅沢三昧で、
楽をしながら健康で長生きをしたいものだが、そう簡単に問屋は卸さない。
心身ともに溌溂と老後を過ごすためには多少の節制の我慢が必要になる。
特に男は老い方が下手だという。女性に比べ普段から近所付き合いも無く、
定年を逸機に話す相手も大きく減っていく。性格的にも男は寡黙が多いが、
孤独が最も老いを加速してしまう。老人特有の頑固になる、怒りっぽくなる、
偏屈になる・・精神面での老化は後戻りが出来ない。それらの理性の低下は、
脳の前頭葉の老化による萎縮が大きく関っているという。防ぐための方策は
ただ一つ、絶えず新しいことに挑戦しハラハラ、ドキドキ、ワクワクの感情を
沸き立たせ前頭葉を刺激し何時も青春の気持ちを保ち続けるのが最適という。
粋で格好良く、心意気で人生を全うしたい!