隠居の独り言(846)

歴史の節目からいえば西欧列強の来日を機に日本列島辺境の地の薩摩と長州が
手を結んで中央の幕府を倒すのは必然の大河の流れで18-19世紀という時代は
日本のみならず人類が大きく変貌を遂げた節目だった。その世界に目をやると
安土桃山期に、あれほど世界進出に躍起になっていたスペイン、ポルトガル
威光が徐々に薄れそれに替わってイギリス、オランダが世界に乗り出してきた。
これらの国の共通点は欧州の辺境で覇権を求めるなら海に向かうしか手が無い。
江戸時代中期の1700年頃のイギリスの人口は約600万人で日本の5分の1・・
オランダは僅かに約100万人!この小さな二つの国が性能の良い外航船を操り
世界の七つの海を制覇し、或いは過酷な奴隷貿易で、或いは香料や阿片取引で
富と権力を欲しいままにアジア・アフリカを植民地化をしてした17-18世紀の
日本では海に囲まれたアジア大陸の辺境でありながら徳川家を守るためだけの
鎖国という制度に縛られ発展が遅れた。歴史にオフは無いが安土桃山時代には
日本の船が南蛮貿易で東南アジアを駆け巡り多くの日本人町も出来ていたのに
これらを含めて世界を目指していた国を閉じてしまうとは何たる幕府の愚策よ!
もし鎖国をしていなければ当時の世界の中で経済、文明、文化等々は一流国で
ヨーロッパ諸国にも充分に対抗でき、現代の世界地図も大きく変わったはずだ。
大河ドラマ「竜馬伝」は桂小五郎谷原章介)が護衛につけてくれた槍の名人
三吉慎蔵(筧利夫)とともに京都に向かう竜馬(福山雅治)は大和屋に寄って
長次郎の妻・徳(酒井若菜)に写真と遺書を渡す。京では長州征伐になかなか
腰を上げない薩摩に疑念を抱いた幕府方は不穏分子の取り締めを強めていく。
薩長を結びつける男として新撰組所司代に付け狙われている竜馬だったが
苦労の末、やっと薩長盟約を結ぶ事に成功する。かたや藩の命で京に来ていた
弥太郎(香川照之)は新撰組に竜馬と間違えられ拷問を受けていた。