隠居の独り言(890)

正月の楽しみは箱根駅伝で、2日と3日は普段あまりTVを見ない自分ばかりか
家族中が付かず離れずとなっている。初日の往路の絶対見逃せないのは第5区の
小田原から箱根芦ノ湖までの区間で他の区間に比べても、やや長いばかりか急な
上り坂で、そのうえ箱根の風景を見つめながらのデッドヒートは見ごたえがある。
今年のハイライトはやはり箱根の坂の山の上りと下りだった。往路では東洋大
山の神・柏原に早大の猪股が健闘するも敗れたが、復路の下りでは早大の高野が
途中転倒のアクシデントをものともせず東洋大の市川と抜きつ抜かれつ並行して
TV桟敷を湧かせてくれた。車で運転しても怖くなるような上り下りの箱根道を
平気な顔で走る選手に、これが人間業かと驚きと培われた練習の成果に感動する。
そして最大の見どころは中継所のタスキ渡しでタスキを次走者に手渡した直後に
選手が倒れて抱きかかえられる姿はチームと大学の名誉のため全力を出し切った
選手はあまりにも美しく涙が出そうだ。駅伝とマラソンの違いはゴールイン後に
倒れてもマラソンは自らの栄光のためだが駅伝は自己犠牲であり献身そのものだ。
「人生の宝です」選手の一人の言葉だが観客にとっても正月の宝物を見た思いで
感動をいただいた。選手諸君!ありがとう!