隠居の独り言(901)

明日は建国記念日、いわゆる紀元節だが特に昭和15年に「紀元2600年」とし
全国で盛大に祝典が催された。それは小学2年生のときで子供の記憶の範囲は
学校の朝礼で校長先生から、神代の2600年前の今日、畏くも神武が高天原
初代天皇に即位され「日の国」が誕生した最も大切な日であると聞かされた。
当時は軍国主義華やかなりし時節でアジアの各地で戦線が拡大し国民の意識の
昂揚を高めようと催された一環といえるが軍国少年は懸命にこぶしを握り締め
校長先生の一語一句を聞き漏らすまいと感動をもって聞いた。あれから60年余、
昭和が遠くなり回顧してみて、どの年代を捉えて最も懐かしい部分と一括りに
出来ないが、自分にとって戦争の前後が最も鮮烈に記憶の中に留めているのは
過敏な少年時の体験であり軍国の思想、飢餓の体験、敗戦の悔しさは忘れない。
惨めな中でも救いは家族に秩序があり貧しくも助け合った健気な幸福があった。
戦争に負けても少年の気持ちは日本の誇り、尊厳、愛国心は捨てられなかった。
時代は流れ、先日に国旗国歌訴訟というのがあったが最近の学校の教員の中に
入学式などで国旗に向かい起立や国歌の斉唱を拒む人がいるらしいが情けない!
それだけでなく一審判決では「起立・斉唱の義務は無い」とした教師の訴えを
認めていたというから裁判官も常識の外ではないか?国旗国家を尊重するのは
世界の人の共通意識で「強制」などと反発する教師の政治的な行動がおかしい!
その教師や裁判官が国旗国歌を否定するなら日本を捨て他国に移住すればいい。
贔屓目かもしれないが国旗「日の丸」は万国旗の中でもシンプルなデザインで
とても明るく美しく翻る。国歌「君が代」も世界中の国歌の歌詞と比較しても
これほど穏やかで平和的な詞は無いのでは・・いま建国記念日に心寄せるのは
長く培われた文化、優しさ、美しさ、この国に生まれた幸せをしみじみ思う。