隠居の独り言(910)

羽柴秀吉岸谷五朗)とういう極貧の育ちから一代にして天下を取った人物を
尋ね知るとき昭和の田中角栄を思い出す。角栄は「人たらし」とも言われたが
地元の後援会・越山会には左翼も右翼も地主も小作農も民衆同盟みたいな形で
角栄に没頭し支持した。自民党の党首選挙のときもその政争の根回しの凄さは
今も語り草だが実力者の根回しやキャッチフレーズで世間が大きく変わるのは
古今東西の決まりだ。現民主党政権は内政も外交も政治的な根回しが無いから
その場しのぎの言葉で逃げる。いつまで管内閣がもつのやら・・・・閑話休題
1582年から83年にかけて本能寺の変から亡き信長の後継者を巡っての争いは
実力的に秀吉と勝家に絞られたが秀吉の根回しの政略と能力は織田家の家来の
なかで群を抜いていた。勝家は今まで織田家筆頭家臣で信長の妹の市を妻にし
後継者に一番近いはずなのに清州会議で味方と目された丹羽長秀池田恒興
背かれて孤立無援になってしまう。勝家の決定的な不運は本拠地の北ノ庄城が
京都からは遥か遠く冬は雪のために動けない北陸地方の地理的条件が災いした。
それを見透かすように秀吉は天皇の綸旨を戴いて信長の葬儀を京都の大徳寺
盛大に行って誰が信長の天下大業を継承するのかを民衆の前で明白にしたうえ
多数派工作を強力に押し進められた。反面勝家は信頼する甥の勝豊にも裏切られ
賤ヶ岳の合戦で破滅の道が加速した。勝家はプライドを持つだけの無為だった。
自分の手足がもぎとられていくのを黙視していた勝家に市も情けなかっただろう。
ドラマは江(上野樹里)ら三姉妹と義父・勝家(大地康雄)の間には家族の絆が芽生え
幸せな時を過ごしていた。そんな時期に秀吉は信長の葬儀を京都で大々的に行う。
勝家や市(鈴木保奈美)を蚊帳の外に置いた行動に市や勝家は怒りをあらわにする。
さらに秀吉の挑戦的な暗躍が伝わるごと姉妹は二度と戦を起こしてほしくないと
義父・勝家に強く訴えるが・・・