隠居の独り言(926)

夕方の公園は犬と一緒に散歩している人がとても多いが都会に住む人も犬も
田舎と違って大きな庭や部屋を望めそうもなく仕事や家事の落ち着く夕方を
選んで運動を兼ねて人と犬とのコミュニケーションを楽しんでいるのだろう。
犬は人に飼われる以前はオオカミの一種で群れを成して集団生活をしていた。
集団で獲物を捕らえて生活するには上下関係が最も大切でボスを中心にして
ピラミット状の絶対服従が掟だった。その習性を利用して狩猟の道具に使い
牧場犬や番犬に至り重宝した。ペットとして可愛がるのは最近のことという。
それにしても都会の犬は可哀相だ。狭い場所で一日中首輪という鎖に繋がれ
自由が束縛され主人の意のままに一生を過ごさなければならない。飼い主の
人柄により犬への接し方は様々だが、どうせなら愛情豊かな人に飼われたい。
犬に聞いたわけではないが犬は一日中順番を付けているそうだ。自分以外の
人間やペットに対して上位か下位かの順位を付けないと心の整理がつかない。
家族と犬の関係を見ても最も可愛がってくれる人に必ずしも従順とは限らず
横着で舐めきった態度で接することなど犬を飼って人には思い当たるだろう。
犬の思い込みのランキングは犬の勝手だが、人間も犬に劣らずランキングを
付けるのが好きで何かに付けて順位を付けたがる。森羅万象の全てが対象で
社会、歴史、スポーツ、芸術・・何もかも・・世の中は順番付で成り立っている。
今に始まって事ではないが最近は少し度が過ぎているのではないか、芸能の
好感度の曖昧な事ならいいが、震災で亡くなられた方の毎日の数字を見ると
心が寒くなる。ランクに頼る社会と生活は犬とたいして知能指数は変わらない。