隠居の独り言(933)

原発事故のその後の対応を見ていると腑に落ちない事が多すぎる。ある学校の
校庭が放射性物質があるので表土を交換するとの話だが学校近辺はどうなのか?
放射性物質は校庭だけなのか?子供の遊ぶ行動範囲は学校だけではないのだから
論は「木を見て森を見ず」の気がしてならない。少しでも危険が予測されるから
校庭で遊ばせるわけにいかないという。都心での学校はアスファルトが大半だが
土が心配ならアスファルトにすればいいし学校で運動しなくも教育や人間形成に
何ら影響がないと思う。キュリー夫人放射能の知識を持ってから僅か一世紀で
放射線の影響は未だ大半が憶測の世界に留まっている。戦争の広島原爆投下後は
60年間草木一本生えないと言われたがその後の繁栄は憶測が誤りだった事になる。
直接被爆した人には気の毒だったが広島で復興に携わった人の健康被害について
ほとんど聞いたことが無い。未曾有の災害後の事は誰にも予測できないのだから
殊更大きく報道して神経質になり過ぎるのも風評被害のようで世の中を駆け巡り
自分の首を絞める危険性を含んでいる。世界の小学校には校庭の無いのも多いが
むしろ日本の学校は恵まれ過ぎている。災害は戦争と同じで国か自然との違いだ。
戦争で毎日のように空襲におびえ父が赤紙で戦地へ行きロクに食べ物が無くても
誰も心的外傷など無いし戦争で肉親や財産全てを失っても一円の補償も無かった。
戦争の補償は一部の軍人恩給と原爆被害者だがそれでも不公平と言えなくもない。
東条英機の遺族に恩給があって何故我が家には無いのか?各地の空襲で命を落し
家が焼かれたのに原爆被害者に支援があっても何故一般の死傷者には無いのか?
それでもみんなが大人になって戦後の復興の礎になったのは動物のように懸命に
自分で自分の体や心の傷を舐めて治したからだ。お蔭で強い体と精神力を戴いた。
原発事故は国と東電に責任もあるが想定外の津波災害の不運はどうしようもない。
世の中は不公平にできている。今回の大震災の不公平を乗り切る人たちの勇気と
行動を私たちは応援しよう。