隠居の独り言(938)

震災から二か月が過ぎたけれど最近は何が何だか分からない状態といえる。
津波の被害状況は一目瞭然だが原発に関しては見えない相手との戦争の様だ。
水が入っているとか?燃料棒が剥き出しになっているとか?メルトダウンとか?
素人にはそれがどのように理解して今後どうなるのかがさっぱり分からない。
関係者の情報は良い方向なのか?本当は最悪の状態に向かっているのか?
ともかく我が国はエネルギー政策の根幹が揺るがしかねない国家レベルの
危機に陥っているのは確かだ。管首相は中部電力浜岡発電所の停止を求め
会社もそれに応じて停止に入っている。現段階では仕方ないにしても福島の
事故究明は徹底的に調べ「脱原発」の感情論に流されないようにして欲しい。
資源が乏しく技術立国で生きる日本経済に原子力は絶対不可欠な原動力だ。
原発需要の最大理由はコスト面で原発の1kw当りの発電コストは5,3円、
これに対し水力は11,9円、火力は10,7円、原発の高い経済性は明らかで
そのうえ発電時のCO2を殆ど出さずに温暖化対策の切り札となっている。
もし廃止なら家庭の電気料金も大幅に上がり今の生活レベルは無理だろう。
そしてあらゆる産業の電気に占める経費の割合は群を抜いている。ところで
東電は施設の損害や賠償金などを含めてこれからやっていけるのだろうか?
忘れがちなのは東京市場の株式保有最大数といわれる東電の個人投資家
100万人近いが震災前2000円以上もしていた株が一挙に300円に下がり
資産の目減りは大きく個人株主も震災被害者といえる。電力会社で世界一の
東電は規模が大きすぎて底辺の影響は計り知れないが政府の対応次第では
日本の経済的地盤沈下は決定的になってしまうのは明らかだ。これからは
地球上の急速な人口増加と中国やインドなどの新興国らの台頭でますます
エネルギー事情は厳しくなっていく。産油国でも将来の石油の枯渇に備え
原子力の重要性を模索しているという。今が日本の正念場だ!