隠居の独り言(958)

日本の16世紀は戦国時代に暮れたが世界に目をやるとスペインとポルトガルによる
大航海時代だったが有名なトルデシリャス条約によって地球上は両国に2分された。
詳細は省くが日本はポルトガル王の依頼でフランシスコ・ザビエルが来日したのは
織田信長豊川悦司)の成長期の頃で客人として歓迎された。何事にも興味が深い
信長にはザビエルの語る世界の様子と珍しい器具は目からうろこだったに違いない。
ザビエルの宣教を許し各地に教会を建て大名のキリスト教帰依も気にしなかった。
そして信長は大航海時代に自分も乗って見ようと壮大な気分になってくる。信長は
マントを着てハットを被ったのは単なるもの好き趣味でなく自分自身も大航海して
世界を見たいと身体で感じていた。日本より遥か小さいポルトガルが世界の半分を
支配しようだなんて羨望と屈辱を感じていたに違いない。信長もその波に乗ろうと
壮大な夢の途中に本能寺の変で挫折した。秀吉(岸谷五朗)は、信長に育てられた
継承者だが信長の形骸の真似事をしたかったふしがあって国内統一後に海外に向け
覇権の夢があったのだろうか。でも考えや大きさが信長の足もとにも及ばなかった。
キリスト教の背後には大きな勢力があり日本を呑みこもうとする恐怖感があったのか
宗教弾圧もしたが、たかだか数隻の帆船でやってくる異人に怖がることもないだろう。
海外進出も信長は南方に目を向け交易を望んだが朝鮮や明に戦力を持っての侵略は
西欧の植民地化の政策とは大いに異なり日本の国力と豊臣家の衰退ばかりが残った。
大河ドラマ「江」は、江(上野樹里)は秀勝(AKIRA)と結婚し京の聚楽第に居を移し
幸せな日々が過ぎていた。二人は秀吉の命で関白となった兄・秀次(北村有起哉)を
監視する役目を負っている。秀次を心から慕う秀勝は監視することは無用であると
江に兄のことを理解してほしいと秀次の元へ連れていく。秀吉の母・大政所が死去し
秀吉は孤独感を募らせ、ますます晩年を汚いものにしていく・・