隠居の独り言(992)

自分は生涯現役でいたい。生涯現役の意味はけっして働く仕事だけではない。
生きる限り、やりたいことを放棄せず継続するのが現役で、やるべき仕事は
際限無いが労働は社会的な事情も絡み合って先が見えないのが辛いところだ。
若い頃から就いた職業は帽子屋で残念ながら業界の仕事は衰退の一途を辿り
帽子に限らず糸偏の製造業はやがて日本から消えてしまうだろう。日本人も
かつてはコマメな仕事で二次産業の底辺を支えていたがグローバルな世間は
既に東南アジアの職人に委ねられているので自分の代が最後のご奉公となる。
仕事はさておき楽しさと生き甲斐は言うまでも無く趣味!趣味という言葉は
暇な時間や余力でやるものと誤解されがちだが趣味は真剣に取り組んでこそ
真価が生まれその人の心を豊かにしてくれる。あれもこれもと欲張り心だが
これからは音楽に集中したい。50歳代になってギターを始めたが今少し早く
習い始めればと後悔先に立たずだがそれでも「好きこそものの上手なれ」で
歌とギターの弾き語りは20年積んだ履歴の結果が多少表れた気がしている。
今は本場のラテンの人とトリオを組んでいるがメンバーが凄いだけに幸せだ。
夢はいつか今までお世話になった人たちをレストランでも借り切って演奏を
聴いて頂くことだがそれには自分の歌もベースもいま一段のUPが望まれる。
そして音楽を通じて自分のヒストリアと心うちを伝えられれば人生の本望だ。
「寝床」という落語で横町のご隠居が自分の下手は義太夫を聴かせるために
熊さん八さんたちをご馳走して無理やり語るというのがあるが気持ちが分る。
でも下手では落語の世界で、やるからにはエーカッコシーでやりたいと思う。
夢の実現はいつの日か分からないが夢を持ち続けるのが生きる心の糧だろう。
モットーは、仕事は楽しく、趣味は真剣に・・・そして生涯現役を通したい。