隠居の独り言(1045)

先日、鬼怒川へ東武電車スペーシア号で乗った際に傍に乗ったオバサン連団体の
うるさいこと!ところ構わずに大きな嬌声が絶えない。しかも話題はくだらない
TVのバラエティや人の悪口の話まで及ぶ。女の声は高いだけに余計に響き渡り
他の客達が顔をしかめてもハタ迷惑も考えず世の中は自分たちだけと思っている。
ふと考える。昨年に起きた東日本大震災から絆という言葉を耳にすることが多い。
津波原発などの影響で親しい人との別れ、或いは最近の無縁社会が問題視され
少子高齢化の影響もあって人と人との絆を大切にする声が巷に大きくなっている。
異論はないが群れればいいというものではない。オバサンたちの絆は迷惑千万だ。
日本人は親戚縁者、仲間内など知っている人に親切だが知らない人に冷たいのは
戦後の教育のせいか他人を顧みず利己的で常識に欠ける人間が多くなったからだ。
その欠陥最たるは子供の虐待死という行為だが若い性の欲望が先立ち己の実子を
同棲する男と共同で虐待して殺す。男女とも反省、後悔、謙虚などさらさら無い。
先週は結婚詐欺で男から金を巻き上げバレそうになると練炭で殺害した極悪女に
死刑判決が出たが、いくら犯罪証拠不十分といえども自己中心主義は変わらない。
いつからこんな日本人になってしまったのか?大戦に負けて戦後は餓えた経験を
余儀なくされたが貧しい時でも食料は分け合い弱い立場の子から与えられるのが
普通の感覚だった。昨年の大震災でも日本国中みんなで助け合っていこうという
フレーズは立派だが、ガレキ処理一つも総論賛成各論反対で地域エゴが出るのは
絆と云う美しい言葉も空しく思う。ガレキの山で復興もままならずに困っている
震災地の人を真剣に思いたい。悲しいかな、私たちは地震多発列島に住んでいる。
日本中どの場所でも絶対安心の土地は皆無だ。近い将来自分の住んでいる場所が
大震災に遭った今の東北地方の実体のことを考えたことがあるだろうか?その点、
ガレキ処理に真っ先に手を挙げたのは東京都で江戸っ子の一人として誇りに思う。
迷惑な絆なんて要らない!