隠居の独り言(1094)

民主党党首選では野田佳彦首相に決まったが、それに増して関心事は自民党総裁選で
明後日26日に投開票が行われる。近い衆院選では自民優勢の下馬評が圧倒的なので
次の総理大臣選出と同じともいえる。思えば内政も外交も場当たり的な民主党政権
失われた三年間の日本をどう修復するのか?候補者は入院中の町村信孝氏を含めて
石破茂氏、石原伸晃氏、安倍晋三氏、林芳正氏の候補者の論戦を聞いていると内政、
外交面に一応揃っているように見えても候補者の多少温度差があるのに気付くのは
日本の国の領土主権をいかに守るかの外交面における主張の濃淡が違うことと思う。
石破茂が「国家主権は他国に指一本も触れさせてはならない」と党の公約でうたい
安倍晋三尖閣問題を「未曾有の国難」の要因と位置付けている。石原、林両氏は
「毅然と対応する」とか「真剣に取り組む」とかの曖昧論議の気がしないでもない。
自分は安倍晋三元首相を推したいが、以前に残した憲法改正教育基本法の課題を
解決して欲しいし対韓外交の慰安婦問題も「強制力があったとの誤解を解くために
新たな談話を出す必要がある」と先の河野官房長官談話を完全に否定するのもいい。
四人はいずれも集団自衛権の行使容認の言及し、日米同盟に欠かせない政策転換を
政権復帰後に確実に実行するよう公約もした。TPPの問題も早くテーブルに乗せて
環太平洋諸国と付き合う態度を早く決めるべきだし、現実味の無い原発ゼロ路線は
日本経済を弱めるのみか、世界最高の原発技術の停止はアメリカとの原子力協定や
日本の技術を待っている発展途上国への背信行為といえる。民主党の外交的戦略も
鳩山元総理の失政といい管直人前総理の弱腰といい野田総理の後手外交のお粗末さ、
国家への背信行為ではないか!今回の自民党総裁選はどちらにしても誰がなっても
今の民主党より国家観が大きく変わるだろう。野田首相の「近いうちに信を問う」は
ご破算になったらしいが役者が出揃った以上は近いうちも無いだろう。党利党略で
いたずらに選挙を引き延ばすのは戦後未曾有の国難といわれる今を何と考えるのか?
野田首相の良心に期待している。