隠居の独り言(1194)

8/25日、友人のご主人が所属するア・カペラ合唱団「東京バーバーズ」の演奏会に
招かれて鑑賞した。所は目黒雅叙園の800席余の会場だったが超満員の人たちで
バーバーズの人気の凄さを物語っている。バーバーズ誕生は今年で85年というから
これほどまでに長期間に成長した世界的な男性合唱団は驚きとともに賞賛に値する。
バーバーズのルーツは、その名の通りアメリカのある床屋のオヤジが散髪をしながら
歌を歌ったら客も一緒になって歌って楽しんだという伝説で世界的に広がっていった。
85年前のアメリカは未だ発展途上国で楽器がそんなに多くあると思えない。それでも
ジャズの即興性があったから誰かが歌えば誰かが斉唱し誰かがハーモニーをつける。
アメリカ生まれのバーバーズはヨーロッパのクラシック合唱と違った音楽が生まれた。
それもア・カペラの男性コーラスとして発達したハーモニーは歌っても聴いても楽しい。
解説には「バーバーショップスタイル」といわれ高音部のテノールよりも高い音を歌う
パートが加えられて独特の美しいショップスタイルが生まれたという。なるほど合唱を
聴けば痺れるような快感が体に伝わってくる。団員たちは中高年の男性が殆どだが
今回は50人ほどの出演で、演奏会を観た印象のバーバーズの実力は音楽性といい、
迫力といい、リズム感といい、レパートリーといい、演出といい、お洒落な洋服といい、
どこまでも恰好良さを追求したショーで、20曲近くを全て暗譜でミュージカルのように
軽快な体をこなして歌う団員の練習量は想像を超える。今回の演目はMoonRiverや
AmazingGraceの有名曲からゴスペルやミュージカルを熱唱して観客を惹きつける。
個人的には若いころにYMCAで歌った黒人霊歌Swing Lowが懐かしくて涙をこらえた。
バーバーズのおじさんたちは昨年にアメリカへ来年はニュージーランドへ演奏旅行を
されるという。お元気な東京バーバーズメンバーに拍手を送りたい。アマの男性合唱で
これほど素敵なショーを見せる団体はないだろう。機会があればまた聴きにいきたい。
ゲストのjammin' Zeb(ジャミン・ ゼブ)の若手ミュージシャンも素晴らしかった。