隠居の独り言(1231)

今年の大河ドラマ「八重の桜」も昨日で終わった。自分がテレビを見ている時間帯は
帰宅後に限られ、それにいろいろ用もあるのでそんな多くない。でもその中でも毎年
大河ドラマはだけは楽しみで欠かさず見ている常連だ。最近のテレビは録画機能が
付いているので日曜PM8の決められた時間でなくても見ることができるのも有難い。
言うまでもなく大河ドラマは歴史上の出来事を学習し歴史を学ぶ最適な番組と思うが
一抹の虚しさを覚えるのは最近の若い人は大河ドラマの番組をあまり観ないらしい。
某新聞のコラムによると某私大文学部の授業で「江戸幕府はどうして滅びたのか」の
三択の質問で「関ヶ原の合戦」が多かったという。次週で再度質問したら調べたらしく
それでは「江戸最後の将軍の名は」に分からない。学生たちの殆どが「八重の桜」も
今までの大河ドラマも観ていないという。大河を観る,観ないは各人趣味主観だから、
とかく言うわけでないが今の学生は歴史に興味が無さ過ぎる。公立高校は「社会」で
世界史が必須というから日本史が疎かになるのは政治の教育問題であるといえる。
顧みて今年の大河「八重の桜」は、ほんのりと良かったと思う。始まる前は主人公の
新島八重が歴史的には脇役だったので期待しなかったが八重に扮した綾瀬はるか
女らしい人間味が存分で素晴らしい、はまり役だった。キャスティングで良かったのは
新島襄オダギリジョー山本覚馬西島秀俊松平容保綾野剛、母親・風吹ジュン
いったところか。幕末→維新にかけての時代がドラマだったが戊辰戦争で負けた側の
会津を描く企画も良かったと思う。幕末の結末は理不尽にも会津に責任を負わされて
全国から攻められ会津は多くの人が戦死し或いは傷つき一般の家も容赦なく焼かれ
食物も少なく寒さに震えて人々は途方にくれた。それは先の太平洋戦争で味わった
惨めな敗戦の日本の立場に似ている。その点で八重は会津の敗戦の悲劇を体験し
辛酸を切り抜けた経験が心身を強くし後半生に生かされた。大河は良かったけれど
最後にNHKに言いたいのは覚馬の「教育勅語は国民を縛る」のセリフは納得し難い。
歴史ドラマの中に、公共放送のNHKが偏った見解を入れるのに相当な疑問を感じる。
最終回は1894(明治27)年、新島八重は従軍篤志看護婦として広島陸軍予備病院で
日清戦争の負傷兵たちを看護していた。院内ではコレラ赤痢などが発生し危険な
状況だったが八重は感染にひるむことなく勇敢に看護に従事する様が描かれている。
とにかく今年の大河「八重の桜」は、自分なりの自己採点では80点といったところか。
ドラマに携わった関係者のみなさま、一年間ご苦労様でした。ありがとうございました。