隠居の独り言(1241)

自分は性格、仕事、趣味など何もかも中途半端で、ここまで80年生きたが希望として
あと50年くらいの命があれば完成の域に達することができると思うが、でも神さまは
人間が150-200年も生きると何もかも知り尽くし神の領域にまで入るので人の寿命を
100年足らずに定められた。だから人間の知恵も完璧なものまでに至る前に命尽きる。
でも世の中の仕組みのウラオモテ、人のホンネタテマエが多少分かる気がするのは
長く生きたせいだろう。純粋な軍国少年だったころは東条英機を神様のように尊敬し、
戦後は吉田茂田中角栄を戦後の日本を立ち上がらせた偉人のように崇めていた。
でもいつの日か、政治家とは国のためより権力欲に満ちた利己主義者に思えてきた。
今、東京都知事選で舛添要一のホンネは前から都知事になりたいのにタテマエでは
半月前は「まるで白紙です」、告知日が迫ってくると「立候補をする」そんな見え透いた
言葉は実に田舎芝居のセリフのようで安っぽい気がしないでもない。都知事候補の
噂が出た時点で立候補宣言したほうが信念を示せて男らしい。舛添は以前、自民党
在籍中に厚労大臣を頂いても自民党衆院選で負けたとき、あっさり自民党を見限り
新党を立ち上げ同志であった敗者への配慮に欠ける。自民党も裏切られても過去を
不問とし独自候補を立てられないのも情けない。方や元首相の細川護熙が無所属で
立候補表明したが「脱原発」のみで肝要の都政を語らないのは知事の資質に欠ける。
元首相小泉純一郎と連携するらしいが総理にまで登りつめた二人が再び政治に関与
するのはヒマを持て余してのことか。福島原発の後始末や拡散した放射能物質での
影響は自分には語る知識・資格もないが、だからって「原発悪」と単純に決めるのは
いかがなものか。そもそも知事の地方選挙に国家の根源政策にそぐわない。「脱原発
を言うなら国政選挙に打って出て訴えるのが筋というものだ。ピント外れの元総理の
二人は晩節を汚すことになりはしないか。舛添も細川も、政治を途中で投げた過去が
あるので予期せぬ困難に直面したときの対応が気になる。今回都知事選候補者達は
権力という魔物に取り憑かれたようで好きになれない。辞めた猪瀬直樹前知事だって
素人目にも裏金の5000万円を受け取って、タテマエとして個人の借金と薄っぺらな
領収書を見せる姿は猿芝居丸出しで情けない。この人が今までの都知事だったのか。
尊敬と信頼できる候補者のいない今回の都知事選挙の投票所に寒風が吹いている。