隠居の独り言(1261)

「将来は年金が貰えないかもしれない」今の若い人の大半が将来を不安に思っている。
実際にそう思っておいたほうがいいだろう。年金機構は既に破産状態で現在のままで
長続きするはずがない。今の状態を維持するだけで毎年1兆円つまり消費税1%に
値する予算がかさ上げする。これからの少子高齢化時代で益々加速度が付いていく。
今の天文学国債赤字が続くとは考えられない。四月から消費税が8%になるからと
世間は騒いでいるが8%や10%で国家予算の収支が収まるはずなく更なる増税
必至の状態だ。消費税アップ反対などという能天気な政治家もいるが策略を聞きたい。
現在の年金制度は若い人たちから納められた年金を年寄りが貰っている仕組みだが
これからの少子高齢化で、益々収入が減り支出が増えるのは子供にも分かる計算だ。
だから老後の年金は貰えないものと思って将来に備えたほうが気持ちがすっきりする。
昔は年金などなく、つましい生活をしながら貯金をして、老後に備えるのが常識だった。
若い時、親方が言ったのは借金しなければ買えないものは貯金をしてから買いなさい。
そして分相応なものでなくてはいけないと戒められた。明治生まれの親方だったから
身についた金銭に対しての平衡感覚といえる。質素倹約を旨とするのが教訓だった。
親方の言いつけを守った自分の唯一の自慢は今まで借金は一度もしなかったことだ。
独立のときの資金も小僧時代に爪に火をともして貯めたお金で始めたし、家の購入も
貯金を叩いて即金だった。今でも借りるという行為はとても恥ずかしいものと自戒する。
戦後の庶民の政治家への甘えと選挙目当ての無責任で野放図な税金の無駄遣いで
今でもプライマリーバランスが解消されないのは国民が贅沢に慣れてしまったからだ。
年寄りの生活保護者が増えているというが、お叱りを承知で言わせていただければ
若い時に老後に備えず日常的に何とかなると収入の殆どを使ってしまったからだろう。
日本はこれから坂道を転がるように落ちていくと思う。国債返還が容易でないからだ。
かつての日本人は質素だった。粗末な衣食住にも不平を言うものは誰もいなかった。
それは日本人特有の奥ゆかしさ、心くばり、我慢、誇り、優しさがあったからだと思う。
みんな口ずさんだ野口雨情の詩を詠う。♪雨降りお月さん雲の蔭 お嫁にゆくときや
誰とゆく 一人で から傘さして行く から傘ないときや誰とゆく  シャラシャラシャン・・
雨が降っても傘もなく、親元離れてひとりで嫁に行く昔の娘さんはそれでも幸せだった。
昔は貧乏でも心は豊かだった。不平不満ばかりいう現代人は将来の覚悟が必要だ。