隠居の独り言(1330)

秋の臨時国会が開催されている。自公の与党が強すぎて野次馬として面白くないが
しかし安倍晋三首相が世界一忙しい国家指導者として地球儀外交で活躍できるのも
強い与党のバックがあるからで、近年の歴代総理にはできなかった成果は認めたい。
何だかんだと言っても、やはり強い総理は世界への発信力も国内の景気も違ってくる。
自信あふれる総理に世界の指導者も一目おき、国内のデフレも間もなく収まるだろう。
反面、野党の民主、維新、みんな、次世代、共産、生活などだらしないのはどうしてか。
本来なら米英のように2大政党が切磋琢磨し、より良い日本を作って欲しいものだが
少数野党の議員はアクの強い人が多く自らの主張を曲げないから纏まりがつかない。
中でも、みんなの党渡辺喜美は8億円借入問題が未解決なのに「俺は創業者」と、
うそぶいているが人間が小さすぎる。話はそれるが自分が若い頃、藤山愛一郎という
政治家がいた。明治、大正期に於ける藤山財閥の御曹司・藤山愛一郎は今の安倍
晋三首相の祖父・岸信介元首相に頼まれて政治の世界に入り外相など務め、自民党
総裁選にも出馬し毎回挑戦しても果たせなかったが特筆すべきは藤山財閥の財産を
政治のために全部使い果たし「井戸塀政治家」と言われた。藤山は潔く財産を捨てた。
費やした金額は当時のお金で40億円といわれ全て自分の懐から政治資金を使った。
ちなみに当時昭和30年の大卒初任給は約6000円だったというから想像が付かない。
大日本製糖社長など200以上のポストを捨て赤坂のホテル・ニュージャパンも人手に、
東京・芝白金の3万平方メートルの豪邸を売り払い、絵画のコレクション、ルノアール
マチスピカソ、梅原龍太郎も次々と消えていった。活躍した「藤山派」の最盛期には
40人以上いた議員達も金の切れ目が縁の切れ目で総裁選の後には誰もいなかった。
人はシビアで冷たいものだ。彼にいい思いをさせてもらったのに恩義のかけらも無い。
藤山愛一郎の人柄は外貌も穏やかで上品な風貌で、絵画、演劇、音楽など造詣深く
素敵な人だった。何もかも失って彼は「未練はありません。能力の限界を知りましたよ。
いろいろな意味でね。権力や金のためでなく公正な選挙をするために・」と語っていた。
今の政治家でこんな清々しい人はいるだろうか。選挙の時だけ選挙民にペコペコして
税金から政党助成金などの項目を作って、資金を集めるのは一種の商売ではないか。
今ではそんな精錬潔白な政治家は望むべくもないが、私欲を捨て国に尽くしてほしい。