隠居の独り言(1334)

歳を取るということは個性的になることで年は徐々に減っていくし増えるのは年の数と
シワの数だけで、命の持ち時間は一刻一刻減っていくし体力も目に見えて衰えていく。
そしてお金も若い時なら働けば増えるがこの歳になれば増えることはまずありえない。
ここ数日の株は低迷しているが相当昔、買った株がアベノミクスの影響で塩漬けから
やっと日の目を見られるようになり、株も捨てたものではないと一人ほくそ笑んでいる。
そもそも自分は金を運用するのが下手で以前は先物取引、金相場、会員権、株など
損ばかりしていたけれど儲けとか損とかじゃなくて、単にスリルを楽しむバクチだった。
もっとも、その道のプロでさえ失敗するのだから素人が儲かるはずがない。最たるは
厚生年金機構の損失でバブル崩壊後は上乗せどころか資金の代行割れが続出した。
だから証券会社の言うことは信用しないことにしている。とにかく損得は自己責任だ。
今では株以外の取引はやめたが年齢とともに上げ下げに対するエネルギーも失せる。
宝くじ必勝法というのは宝くじを買わないことだと誰かが書いていたが、若い頃からの
資産のやりくりで初めてその真理に気がついた。つまりそれらに携わっている会社の
経費は誰が賄うのか?小学生でも分かる仕組みを賭けに嵌ってしまうと気付かない。
それは、やればやるほど、取引の回数が多いほど手数料というテラ銭に消えてしまう。
だから株というのは売買の面白みより財産の一つとして堅い会社の配当金目当てに
持つのが正道と思っている。中には株主優待というのがあって会社の製品や優待の
権利を貰うとなにか得をした気がして嬉しいものだ。自分も配当金で、お洒落を楽しみ
OLC入場券で遊び、私鉄やホテルの優待券で旅行し、朝の野菜ジュースを飲んでいる。
財産3分法ファンドというのは不動産・債券・株式の分散投資法を指すが理想的には
不動産25%、債権50%、株式25%、だそうだが、やがて仕事を引退すれば年金だけが
唯一の収入源なので、余生を楽しむためには資産の運用次第で幸福度も違ってくる。
無論、人生はお金だけではないが日々暮らしの中で心の穏やかさ、健やかさ、清潔さ、
道理や美的なものまで経済の余裕がないと幸せを味わえない。老いて生きる限りは
気力、体力の衰えは仕方ないが、自立する美意識の能力だけは終わるまで保ちたい。
貧しかった時代、学歴の無い人生、世を恨んだこともあったが、若き日の苦労した分、
老後の一安心を得て、自分の世代はこれで充分と独り満足している。