隠居の独り言(1357)

今年は戦後70年の節目と言われている。先の大戦が終わって戦後の日本の歴史を
振り返りつつ将来の展望を考え内外に示す絶好のチャンスといえる2015年にしたい。
1945年8月15日に日本が連合軍に無条件降伏したとき日本の誇るものは何もなく、
戦う兵器も経済も食料も全て無くした無残な状況はただ生きるだけの乞食同様だった。
ひとつの救いはアメリカという民主主義国家が戦後日本を治め、多少の紆余曲折が
あったが、大局的には日本人を自由に解放してくれたことは今に思えば運が良かった。
ドイツや朝鮮半島のように国を分割されることなく復活できたことも喜ばしいことだった。
そして日本人は、がむしゃらに働き課せられた巨額の賠償金を払いながらもめげずに
経済成長を遂げ、そのうえアジアを始めとする各国の近代化政策にも手をさしのべた。
勿論、中国や韓国の経済発展にも含まれている。それは紛れもない歴史的な事実だ。
かたや現実の中国やロシアでは国際法を無視して力による秩序の破壊を狙っている。
しかも今年を「戦勝70年記念」と位置づけ、しつこく日本の戦争責任を未だ迫ってくる。
「戦勝70年記念」と言ったってアメリカの後ろにくっついて来ただけでよく言えると思う。
中国が昔のことを蒸し返すなら19世紀に大陸を蝕んだ欧米諸国の植民地的な仕打ちに
文句を言うべきだし、自国領だったシベリアを騙し取ったロシアにも何故言えないのか。
ロシアは先の大戦で日本が瀕死状態だった時、満州に攻め入り日本人多数を殺傷し、
そのうえ兵士50万人をシベリア抑留し、北方領土を不法占拠し戦勝したとは呆れる。
どこまで欲張りなのか。どこまで日本を侮辱するのか。彼らに人間性のカケラもない。
それでいて憲法の前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの
安全と生存を保持しよう・」と書かれてある。中露が平和を愛する諸国民のことなのか。
憲法の矛盾もいいところだが、事実に反する文言は絶対に受け入れることはできない。
我々は世界中に向けて反論し、歴史に基づき冷静に情報を発信しなければならない。
その点で安倍首相が歴史認識を基本に継承する姿勢を取っているのは良いことだと
国民の一人として賛同したい。けれど以前の村山談話河野談話朝日新聞はじめ
日本を貶めたマスメディアの責任は大き過ぎる。戦後70年の節目に主張したいのは
近隣諸国からの脅威に備えるため不本意ながらも軍備を増強し憲法九条の改訂が
必須の条件になってくる。平和は唱えるだけではやってこない。泥縄の格言のように
防備を万全に整えることだ。幸い日本は力量が備わる。新しい2015年の年頭に思う。