隠居の独り言(1378)

「男らしい、女らしい」の言葉がある。言葉の背景は「男は強くて逞しく経済力がある」
「女は美しく優しくて素直である」大抵はこんなイメージだが男と女、どちらが強いかは
両方育てた母親が最も知っているはずだ。自分も子供や孫の面倒をみたが圧倒的に
男の子が病気になりやすく手間がかかる。おむつをするのも男の子はオチンチンが
はみ出ないように三角形にするのも手間だが女の子は生地を縦横に包むだけでいい。
夜泣き、下痢、風邪など男の子が多い。何かにつけ、片付けなど男の子はだらしない。
童話を読んでも子守唄を歌っても女の子のほうがはるか寝つきがいい。子を持つなら
一姫二太郎」という言葉がある通り最初に女の子を産んで育て慣れてから男の子を
育てるのが良いとされる。爺の自慢は子2、孫6と一緒に暮らした育児体験者の一人だ。
孫に対し好々爺ばかりでない。叱ることも必要だし、我慢することも身をもって教える。
今は核家族の風潮だが大家族の生活から得た人生の糧を活用できるよう祈っている。
男は大人になって外見こそ頑丈だが、性格的には曖昧で優柔不断で決断力に欠ける。
それに比べ女は、外見は柔和でも、性格ははっきりして好き嫌いも多く黒白が明確だ。
平均寿命だって女は男より7年も長く、病気の罹患率も男のほうが高く心身とも弱い。
夫は妻に先立たれると寿命は2年だが、女は未亡人になれば平均20年羽を伸ばす。
創造の神は男と女の外見と内面を別々に分けて創り給うた。男の見かけの強さとは
心の弱さを隠すための鎧兜であり、女の見かけの弱さは心の強さを隠すベールだろう。
若い時は、外見だけの判断で大抵失敗する。男は、なまじ弱き女を庇ってあげようと
イキがって無理して後で後悔する。女は、なまじ強い男にすがろうと貢いで後悔する。
そして愛情面となると男と女は大きく違っている。男は見た目の美人にめっぽう弱く、
見た目の人参に男という馬は懸命に走る。でも人参を食べるためだけの欲望に過ぎない。
そこを女は勘違いをする。人参は愛情ではない。出来ちゃった結婚は誤解で生まれる。
男の真面目さ、優しさ、狡さ、冷たさは見ただけで分からない。愛情にも手順が必要だ。
結婚は人生そのもので男も女も、ある種の条件闘争だろう。男も女も外見は大切だが
後の生活の保証も見極め、かなり強い打算を入れないと、未来の幸福度が違ってくる。
男は一直線でかなり盲目だ。最近の事件簿をみても男が、いかに弱いか単純かが分る。
自分も歳を重ねて人を見る目が多少分かってきた気がする。若い日の様々な経験は
純愛も背徳もあったが、強きも弱きも男は大したことないと、いつか神さまに報告できる。