隠居の独り言(1389)

日々通勤の電車の中で、若い人たちは猫も杓子も脇目も振らずスマホを触っている。
なかにはそれにも飽き足らず電車を降りホームで歩きながらスマホから目を離さない。
歩きスマホは危険ばかりでなく、歩きが遅いので、狭い通りでは一般歩行者に迷惑だ。
新学期、信州大学入学式での校長先生の挨拶の一つに、スマホに関し一言があった。
「皆様はどうでしょうか。残念なことですが、昨今この信州にもモノやサービスが溢れ
始めました。その代表例は携帯電話です。アニメやゲームなどの、いくらでも無為に
時間を潰せる機会が増えています。スマホ依存症は知性、個性、独創性にとっては
毒以外の何物でもありません。スマホの見慣れた世界にいると脳の取り込み情報は
低下し時間が速く過ぎ去ってしまいます。「スマホやめますか、それとも信州大学生を
やめますか」 スイッチを切って本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして自分で
考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員してものごとを根本から考え、
全力で行動することが独創性豊かな信大生を育てます」挨拶の言葉は我が意を得たり!
校長先生の仰せのとおり、電車内でスマホを触る人を何気なく見ると殆どがゲームや
アニメで携帯電話というより携帯ゲームと言うのが相応しい。しかしそんな電車の中で
読書している人を見かけると何となくホッとするのは自分だけじゃない。我が家の孫は
高校生まで携帯を持たせない。スマホに夢中になると勉強の邪魔になるばかりでなく
何より時間が勿体無い。物事を覚えなくてならない学生に携帯は百害あって一理なし。
中には小学校にも行っていない幼児にケータイを持たせる親が居るが何を考えてか。
ケータイは目にも悪いし、勉強や運動もしないネクラの子供に育てているようなものだ。
育ち盛りだからこそ熱中するものは運動や物事の興味に集中して欲しい。ちまちまと
ケータイの小さな空間に入り込んでしまっては折角の成長期間が無駄になってしまう。
最近のスマホはラインアプリが流行りで仲間同士がラインで連絡を取り合っているが
そのため夜遅くまでラインが気になって勉強どころでなくなる。勉強時間も極度に減り
寝不足になり脳細胞を疲れさせ便利さも度を超すと毒になる。大人もスマホの普及は
世の中を急速に発展するだろうが反面、思考力や人間味の衰えを呼ぶのではないか。
ところで今の自分はガラケーだがこの機種が壊れると換えが無いとドコモで言われた。
たかがスマホ、されどスマホ。八十の手習いは厳しい。