隠居の独り言(1406)

自分が若い20世紀の頃、もうすぐ石油は枯渇するとされた。それも30-50年のうち
石油のみならず地球から化石燃料の石炭も100年もつまいと真しやかに報道された。
それが最近になって、シェールガスシェールオイルのシェール技術革命で、どうやら
数世紀は大丈夫らしいが、それだって枯渇するには変わらない。エネルギー源には
原子力もあるが、これだって原料になるウランに限りがある。ウランを有効に使うには、
プルトニューム燃料の高速増殖炉と再処理工場が必要だがかなり危険なシロモノだ。
日本は福島の失敗で今は原発が止まっているが、しかし世界で300基以上の原発が
稼働している。事故は怖いけれどクリーンエネルギーとして今は原発に勝るものなく
地球温暖化の原因のCO2排出を抑えながらの経済発展に原発は欠かせないだろう。
人間の努力と知恵は、いつか無公害の自然エネルギーを発見開発すると信じたいが、
それまでツナギとして原発はやむを得ない。原発の反対は「木を見て森を見ず」だろう。
経済成長神話という言葉があって人類は成長しつづけなければならないというけれど
永遠に昨日より今日、今日より明日が豊かになる証拠はどこにもない。いずれどこか
人類は挫折する。恐竜は身体が大きくなりすぎて、マンモスはキバが大きくなりすぎて、
地球の変化に対応できず滅亡した。今に人類も滅亡する。世界人口は70億人という。
しかも毎年1億人以上増え続けている。即ち以前から恐れられた人口爆発がすでに
始まっているわけで、このまま推移すると近々地球は人で溢れることは必至の状態だ。
昔は大飢饉や病気の流行で適当に調節されていた。日照りや水害で農作物ができず、
餓死する人も多く出た。コレラ、ペスト、天然痘など疫病、つい最近まで結核で若者の
命が失われ、赤子は腸疾患などで育たなかった。最近でのエイズやMERSの蔓延も
その部類だが、医療技術の発展でくい止められつつある。そして戦争があり近世代の
戦争は兵士、市民の別なく無差別に殺し合った。そして究極は核兵器だが、持つ国と
持たざる国があり、核保有国は表向き安保理国だけで、他の国は保有が許されない。
将来に病気も戦争も克服されたとき、人類の誰が生き残れる権利を保証されるのか。
これから人は、そして国は、今以上に強くならなければ生きられない。弱きものは滅び
強きものが残るのは歴史が証明する。人類史を遡れば弱肉強食は当たり前であって
今があるのを後輩に教えなくてはならない。平和の空念仏を唱えている場合じゃない。