隠居の独り言(1425)

最近またストーカーまがいの殺人事件が発生した。この世に、何億もの女がいるのに
どうして独占欲のみで一人の女の心情を考えずに罪を犯すのか?男として許せない。
先週、近所の老人会のアトラクションで、ギター弾き語りで「百万本のバラ」を歌ったが、
歌詞の内容は、貧乏な絵描きが巡業で町にやってくるバレリーナのために自宅を売り
町中のバラを買い占めてバレリーナに捧げるという、何とも切ない筋書きに胸を打つ。
無論バラは数日内に枯れてしまう。しかもバレリーナは絵描きのことは全然知らない。
愛に関して男は単純だが後先を考えずに行動した絵描きの気持ちも分かる気がする。
その刹那的ともいえる純愛的行動は男だから出来るのであって女ならできないだろう。
若い時分は自分も人並みなロマン派と自負したが、それは勝手な独りよがりであって
その証拠に好いた女性には随分と振られた。その殆どが、手も握らずに会話だけの
雰囲気のまま終わってしまったのが多かった。考えれば青春時代は恋愛ごっこであり
愛を告白するのも怖かったし勇気もなかった。青春の階段は、ホロ苦いが男の一歩で
階段を踏みしめる毎に相手が見えてくる。その中からある日突然、意中の人が現れる。
バレリーナに百万本のバラを捧げたのも男なら、身勝手な思いで女を殺めたのも男だ。
感情を秘めるデリカシーな男。感情をむき出しの愚かな男。女性も気をつけてほしい。
ロマンという言葉は男だけが持つ粋な心と自分は信じている。実際に男と女を比べて
どんな状況でも女は自分が悪いとは絶対に認めない。例え女が絶対不利であっても
おのが悪さを弁解し「私をこんなふうにさせたのはあなたじゃないの」男のせいにする。
だからってDVに走る男は最低だ。そんな女と同じ屋根を共にするより、即、別れよう。
人は将来の可能性が沢山秘めている。つまらぬことに拘るより明日を見たほうがいい。
男女が別れても回顧して懐かしむのは男だが、女は男と別れたら一瞥もしないだろう。
その微妙な女心を知るのが男の知覚だ。男は短絡的で女はいつも冷静を保っている。
けれど女の悪口を言っているのではない。実際、教養ある女性を幾人か知っているし
それを尊敬するのに人後に落ちるものではない。男にも、教養ありげな輩は大勢いる。
この類の輩は、やたらとマニアックな言葉や外国語を使いたがるのは鼻持ちならない。
女には男に無い母性本能があり、それが優しさの原点だ。男の優しさ、女の優しさの
本性を互いにきちんと認め合ってこそ本物の愛情が生まれ世の中の平穏が保たれる。
出逢って、単に好きだ、惚れたで一緒に暮らしても生涯かけて良き夫婦を続けるには、
相手の苦労と尊重から逃げてはならない。人生は一度しかないのだから・・