隠居の独り言(1426)

今年は戦後70年という区切りの年だったので各メディアの競演みたいな感だったが
それも「安倍談話」で一段落したようだ。それでもなお一部のメディアは戦後について
まだ反省や謝罪が足りないと言っているが、いつまで自虐習慣が消えないのだろうか。
与党の安保法案にも「戦争ができる国」になるとの過度の心配や警戒感が国民に多く
先日は議事堂前で雨が降る中、「安保法案反対」のデモしている風景があったけれど、
考えれば世界の中で「戦争のできない国」なんて一国もない。今も憲法9条の条例で
「戦争のできない国」だから近隣諸国に舐められて、矮小な国にされてしまっている。
戦後の日本が、しっかりと「戦争のできる国」として復活していたなら北方領土竹島
尖閣の問題も、おそらく無かっただろうし、北朝鮮の残忍非道な拉致もありえなかった。
本来は「戦争のできる国」でありながら「戦争をしない国」を「積極的平和主義」という。
外交は力の背景がないと説得力が無く日本の意見も貧弱なものになり相手にされない。
先の大戦の最後は無条件降伏という形で戦争を終えたが、その結果、戦後のGHQ
日本が再び立ち上がれないよう植民地憲法を押し付けられても文句が言えなかった。
中でも9条で軍隊は保持できず「戦争ができない国」にされたが、直後に朝鮮戦争
影響もあり、自国を守る自衛隊だけを許された経緯を日本人は知っているだろうか。
憲法前文に「平和を愛する諸外国民の公正と信義に信頼し、われらの安全と生存を
保持しようと決意した」と書いてある。日本人は何もしなくていい。能力がなくていい。
日本人は愚鈍でいい。政府、国民は何もしなくてもいいと、憲法の前文は読み取れる。
国民の命、幸福、国の安寧を守っていくことが政治の最も大きな任務だが、前文には、
日本人の生命を「国際社会に預けなさい」と書いてある。これを読んで、近隣諸国の
どこに公正と信義に信頼できる国があるのだろうか。日本は相当にコケにされている。
その昔、ベルギーは戦争を放棄した永世中立国だった。でもそれをいいことに隣国の
ドイツは第一次世界大戦も第二次大戦もベルギーを侵略して政府は英国に亡命した。
これに懲りたベルギーは永世中立政策を放棄し、第二次大戦後はNATOに加盟して
集団的自衛権の行使に踏み切った。これ以来ベルギーは一度も侵略を受けていない。
今ではNATOの本部をベルギーの首都ブリュッセルに移したのは平和の象徴だろう。
オーストリアも第一次戦争後に中立を宣言したけれど、後にナチスドイツに吸収され
先の大戦で艱難を味わった。バルト三国ポーランドチェコスロバキアハンガリー
ユーゴ等それぞれ似たような経過は歴史の知るところだが今は平和が保たれている。
日本人の誇りが完全に抜き取られた情けなさよ。ここまで洗脳したGHQの狡賢さよ。
安保反対、安倍やめろ、戦争法案反対と叫びながら議事堂前をデモしている人たちよ。
政治とは感情論でなく、冷徹な決めごとだ。近代史を直視してほしい。