隠居の独り言(1436)

TPPが合意して、これから日本の景気が良い方向に向かう。とても喜ばしいことだが
といってメリットばかりじゃない。景気が良くなれば当然に人手不足になる。その他、
東北復興やオリンピック絡みや農業、工業、商業そして介護など、これを見越してか
政府は外国人労働者の受け入れを決めた。厚労省では「外国人介護人材受入れの
在り方に関する検討会」の中間報告書に盛り込まれ、早ければ来年から受け入れが
始まる。政府は後ろめたさから「決して人手不足を補うものではない」と繰り返すが、
こんな建前を信じる者はいない。それは厚労省の検討会の議論をみれば一目瞭然だ。
言うまでもなく財界主導政策だろうが財界も政府も国民もここはよく考えたほうがいい。
外国人労働者といっても熟練労働者なら問題もないが優秀な外国人は数も少ないし
世界で引っ張りだこで、おいそれと集まらない。問題は、これから受け入れようとする
外国人単純労働者や出稼ぎ者で後進国中心に世界で貧民層が何十億人いるというから
移住を解禁したらすぐに集まる。今、ヨーロッパではシリア難民が祖国を逃れ日々、
何十万人と押し寄せている。背景はニュースに譲るとして、この難民をこれから
どうするのだろう。人権上の見地から多少は受け入れても全員受け入れは不可能だ。
ヨーロッパの難民は他人事でない。やがて日本にも難民の受け皿を要求されるだろう。
でも本格的に受け入れた場合、国内の非熟練労働者の職をいずれ奪うことに繋がり
そのうえ移民に対し労働条件や社会保障を整えようとすれば財政負担も増えてしまう。
そして彼らはやがて家族を呼び寄せ定住すれば言語、宗教、慣習などで特定地域に
固まって、やがて社会的にも底辺層を形成し治安も悪くなるだろう。景気が悪くなると
真っ先に彼らはクビになるから居住地域はスラム化し犯罪が多発するのは決定的で
しかも彼らは日本から出ていかないだろう。数年前にドイツやフランスの首脳たちが、
「これまでの移民政策は誤り」と異口同音に「問題は手の打ちようがない」と嘆いた。
移民は西ヨーロッパ全体の壮大な失敗だ。その失敗を日本は教訓とせねばならない。
自分は政府の移民政策には絶対反対で、彼らを受け入れれば日本が日本でなくなる。
日本も250万人の失業者と1900万人の非正規雇用者がいるのを忘れてはいないか。
国民を大切にしない移民政策は財政界の近視眼的な我田引水の経済論に過ぎない。
国家百年の計とは美しい日本を作るのが本来の政治家の理想の国家であるはずだ。
少子高齢化で将来、日本の人口が減るのは結構でないか。自分が生まれた昭和の
人口は約1億人と言われたが植民地が入っての人口で今の土地で1億も多すぎる。
自然と緑がいっぱいあった時代、原っぱがいっぱいあった時代、昔の日本に戻りたい。