隠居の独り言(1475)

歴史は繰り返されるという。最近の中国、ロシアを始めとする国家拡大主義、各地の
暴動による戦争の火種、石油を始めとする資源の暴落、景気不透明感からの株安・・
昭和の初めに起きたウォール街から始まった世界恐慌がたちまちに地球を席巻したように
歴史が繰り返されている気がしてならない。日米環太平洋はTPPで貿易圏を作り、
中国ロシアや、ヨーロッパもそれぞれ貿易圏を作り、他を排除するという情勢も
当時の不況による争いから戦争に至る経過ととても似ている。当時も例えば英国など
イギリス連邦内だけで、米国は同盟国内だけで貿易を矮小化していった。外れた国は
市場を求めて植民地を作ろうとする。人も国家も苦しくなれば苦しくなるほどに矛盾の
根源を探し求めて外に目が向くようになる。ロシアのクリミア、中国の南シナ海、など
いい例で、かたやイラン、北朝鮮の核やミサイルの開発など、かつて日本やドイツが
起こした拡張主義、米英仏蘭露中での軍拡主義の衝突で世界大戦に突入せざるを
得ない状況となる。戦争とは誰が悪いわけではない。欲と欲の突っ張り合いが戦争の
悲劇となってしまう人間の愚かさを未だ気付かない。人間には表と裏の顔があって、
どこの政治家も立派なことを言いながら約束を守った試しがない。数年前にオバマ
世界の核兵器廃絶を宣言してノーベル平和賞を貰ったが、「all talk and no action」の
口先だけで何の実行もなかった。プーチンは「ロシアは法と正義を守る」と宣言したが
北方領土もクリミアも返さない。習近平も同様なことを言いながら南シナ海を軍事化し、
次は尖閣を狙っている。アメリカでは次期大統領に共和党の破天荒男のトランプ氏が
有望の説がもっぱらだが最近のオバマの弱腰への批判の表れだろう。朝鮮半島では
南北互いに首脳の名前を呼び捨てにする戦争間際の舌戦が続くが、とてもキナ臭い。
近々何か起きる気がしてならない。でも日本がこんな自由で情報が溢れているのに
明白な事実を確認しようともせずに日米の集団的自衛権に反対して中国やロシアを
喜ばせる意図の左系の野党や新聞を信じる人の多いのは国民の不勉強ではないか。
世界中は醜い欲望と欺瞞に満ち溢れている。憲法9条があるから日本は平和だとの
能天気はもういい加減にしてもらいたい。