隠居の独り言(1493)

明日は憲法記念日憲法とは一般的な道徳や宗教的な聖典でなく日本国民の生命と
財産を守るための実用的な方便に過ぎない。戦後の現憲法を制定した作者にだけが
将来が見えるはずもなく時代の要請に合わせて憲法の文言を変えるのは当然であり
1947年5月3日に施行された憲法を70年近く金科玉条のように守る融通の無さは
世界でも珍しいだろう。その中でも憲法9条は文の主旨からし自衛隊憲法違反で
自衛隊という軍隊を違反のまま維持していること自体、おかしな日本の憲法といえる。
国民が災害、犯罪から身を守る場合、組織の助けが必要なのに憲法は謳っていない。
例えば家族や友人が誰かに殴られている場合、それを助ける目的で攻撃者を殴打し
過剰防衛でない限り正当防衛が認められて罰せられない。当り前の集団的自衛権
権利なのに国家レベルになると許されない憲法を、多くの人が疑問を持たないのか。
他人の喧嘩に巻き込まれるのは嫌だから知らん顔していればいいという憲法9条は
国際社会にそぐわない。先の敗戦で日本が再び立ち上がれないよう仕向けられたが
今ではG7にも加えられる大国になって常に「自分さえよければいい」では通用しない。
江戸時代のように鎖国するなら今の憲法でいいだろう。昨年「安保法可決」の過程で
学生団体シールズの活動が大きくクローズアップされた。「反安保」「反安倍」を叫び
普通の若者が声を上げたことに、マスコミも一部の大人も一緒になって喜んでいたが
論理や筋道もなくその時の感情や雰囲気だけで流される日本人の特徴が表れている。
政治家にモノを言いたかったならデモをする前に具体的な論点を明らかにしたうえで
問題をどのようにしたらいいか、理由は何かをはっきり示す必要があって然るべきだ。
「安倍が嫌い」「安保は戦争法案」だのと感情論だけでデモをして国民が動くだろうか。
安倍首相が憲法改正を任期中に成し遂げたいと発言してから論議が過熱化してきた。
反対派の偉い先生方は「立憲国家への反逆」「本質を無視した暴挙」等々のたまわく。
しかも作家・大江健三郎や東大教授など錚々たる人物の考えだから何をか言わんや。
反対派は現行法だけでイザというときアメリカが助けてくれると思っているのだろうか。
来たる東京直下地震など緊急時に自衛隊員が対処できると思っているのだろうか。
反対するなら世界の情勢、日本の事情をきちんとした議論を聞かせていただきたい。
何でも護憲ありきでなく、具体的に反対する理由を分かり易く国民に知らせるべきだ。
感情論だけで世の中は通らない。