隠居の独り言(1499)

今日から2日間、先進7か国による伊勢志摩サミットが始まる。サミットの課題は民主主義の
価値観を軽視し国際秩序を乱そうとする勢力に、それを許さない決意を示すサミットにしたい。
国際秩序を乱す張本人はロシアと中国で、例えば先日のテレビ演説でプーチン大統領自らが
日本とロシアとの平和条約交渉は進めるけれども北方領土は返す気は毛頭ないとのことで、
先日、ソチで安部総理との会談では領土交渉があったが「あれはなかったことにしてほしい」
とのこと。だから言わぬこっちゃぁない。アメリカからロシアにあまり近づくなと忠告されていた。
それなのに総理は功を焦った。ロシアは貰うものは貰って出すのはケチる。そんな狡い国だ。
偏見かもしれないが実際、北方領土なんて今更要らない(旧島民には悪いが)今返されても
整備その他に巨額のお金が必要になる。昔ならいざ知らず日本の領土は今のままで充分だ。
領土は単に広ければいいというものじゃない。それだけに経費もかかる。下手な国家感情で
いつまでも領土返還を望むより江戸時代からの日本人が暮らすだけの土地があれば充分で、
そのほうが日本は充実する。ロシアは歴史的に帝国主義の収奪国で無意味なほどの広大な
領土を持ち続けることによって国が保たれて、ロシア人もこれを是とした国民性になっている。
それは共産中国も同じで、得た領土を巨大な軍隊で維持する壮大な無駄を人は気付かない。
ロシアも中国も帝国主義と領土を維持するために軍隊の他に内なる国民を締め付けて多くの
国民を統制し特に他民族に対し「敵」を設定して弾圧と粛清を繰り返したことは歴史の汚点だ。
ロシアは建国以来2000万人が殺されたといわれ、流刑も含めると6000万人が処刑された。
中国も同様、毛沢東文化大革命で5000万人が消されたと云われ中ロとも現在に至っても、
その習性は変わらない。ロシア人が自由とか民主主義とか言うが、そのことの大きな要因が
大領土、大版図主義を捨てる同義語であることを分かってないのはロシア人にとって滑稽だ。
日本の昔からこれまでの繁栄は日本人にとって領土が適正サイズであったことがよかった。
経済も生活も土地の適正サイズがどれほど重要なのか知るべきで日本もかつて大きな領土、
朝鮮半島、台湾、満州に至るまで、投資して失敗したが、そういうことを考えれば北方領土
竹島を相手にくれてやってもいい。日本人の資産や幸福は変わらない。むしろ、それを理由に
日本の立場を要求し続けた方が有利ではないか。国粋主義の危うさを考える時がきている。