隠居の独り言(1503)

北海道の7歳の男の子が6日間も行方不明になり、その後、無事発見された報道は
日本のみならず世界のニュースにもなったが、違和感を覚えたのは、父親が最初に、
息子に「ごめんな」と謝ったというのは順序が違うと思う。まず、あれほど多くの捜査に
関わった人、報道を知り心配した人々に謝罪と感謝の言葉と頭を下げるのが礼儀だ。
この父親は子供を見失った失策のことはあっても、躾の面では現代の甘い親と違って
しっかりした父親だと感じる。なにも子供に謝ることはない。「本当に無事でよかった。
お前のために大勢の人たちが働いてくださった。まず、お礼を言いなさい」と諭すのが
正しいのであって、父親と息子の二人が、きちんとみんなの前で頭を下げていたなら
本当の意味でハッピーエンドになっていただろう。それともう一つ、発見された場所が
自衛隊の演習場内の施設だったというのが気にかかる。自衛隊は国家を守る重要な
任務を負わされているが、たとえ子供といえ易々敷地内に侵入されても把握できない
管理システムは、これで大丈夫なのだろうか。悪く考えたくないが、もしテロリストなら
ただ事で済まされない。重要な案件を図らずも今回の事件で判明したのも良かったが
監視カメラなどの防犯体制が出来ていたなら、もっと早く7歳児を発見できたと思うと
自衛隊の管理体制のありかたも考える。今回の事件は色々問題を投げかけてくれた。
まず子供が石を投げる癖があったとされるが石を投げるのは人を傷つけることであり
7歳(小学2年)にもなって悪戯の限度を知らないのは幼稚だし、将来の人格に繋がる。
これから、きちんと教育する親と学校の対応を見たい。自衛隊灯台下暗しで肝心の
内部を整理することから国民・国家を守る任務の基礎の重要さを認識するべきと思う。
事件が無事解決して良かった。人は過ちを犯しながら成長する。災い転じて福としたい。