隠居の独り言(1504)

アメリカ大統領選挙共和党のトランプ氏と民主党クリントン氏との決戦になった。
しかしどちらが勝とうが日本にとって、厳しくなりそうな様相が出てくるのは必至だろう。
とくにトランプに至っては日米同盟の根幹たる在日米軍の全経費を払わないと撤退も
辞さないという。横須賀を母港とする米原子力空母を始めとする第七艦隊や、沖縄の
世界最強と言われる嘉手納空軍基地の戦闘機部隊を訓練・維持するため相当な経費が
掛かることは必至だが、それでなくても巨額の国債を抱えている日本には払えない。
つまり米軍基地が日本列島から消えるわけで、そこで大喜びするのは中国と北朝鮮
アメリカの後ろ盾を無くした日本が単独で中国軍と渡り合える武器と自信があるのか。
しかも相手はミサイルも核兵器も備えて通常兵器だけの自衛隊では負けるは必至だ。
先週、中国軍艦が尖閣の近くまでやってきた。今は日米安保の範囲なので中国軍も
これ以上の動きは制御しているけれど、アメリカ軍が去ったことを想像してみるといい。
まず尖閣諸島を取られ次に沖縄を狙ってくるだろう。それを考えるだけでもぞっとする。
以前から中国寄りだったクリントン日米安保条約を運営面や経費面で見直すという。
対中の他に、TPP、為替、貿易等、今回の米大統領選はどちらにしても日米は変わる。
先日、民進党岡田克也代表が記者会見で「危機感を国民は持っていただきたい」と
さすが中国の脅威は与野党もないと思いきや、与党の憲法改正論には反対だという。
そんな今の世界の情勢なのに能天気の日本の左の政治家は憲法9条改正反対だの、
沖縄のアメリカ軍基地撤退だの、集団的自衛権を「戦争法」だの言っている場合か!
しかも若者達も「木を見て森を見ず」で「アベヤメロ」とピント外れのデモは恥ずかしい。
残念ながら隣国全てが日本を敵視するばかりの国で油断も隙もあったものじゃない。
日米の歴史を顧みてもペリー来航、戦争、敗戦、続く第三の衝撃波の同盟不要論に
日本は耐えうるか。次期米大統領に誰になろうが日米同盟は厳しくなるのは必至だ。
安倍政権も米大統領選挙後の日米を分かっているはずなのに何故、消費税10%に
待ったを掛けたのか大変疑問に思う。「国家百年の計」は、政治家の好きな言葉だが、
言うは易し、行うは難し。