隠居の独り言(1512)

日々の新聞その他の報道を見て感じるのは、いま世界が急速に変わりつつあるのに
日本は一向に変わらない。参院選で与党が圧勝したからって改まる気配も見えない。
このように世界と変わらない最大の理由は、日本が島国だからだろう。同じ島国でも
西のイギリスは以前に諸外国に膨大な植民地を持っていたせいで国際感覚を養うに
プラスになった。だから世界大戦でも、その都度勝者側に付いている事実が証明する。
先だってEU離脱もイギリスだからこそできることであり、その柔軟性は真似出来ない。
反面、陸続きというのは隣国との緊張感が強く、いつ相手から軍隊が攻めてくるかも
しれないからで、現に世界史の地図を見ると国境線が絶えず変わっているのに気付く。
日本は幸か不幸か、周りはみんな海、そのおかげで日本独特の文化や感性が育った。
でもその分、国際感覚が鈍くなり周りの国の変化に対応する力量まで薄くなっている。
しかしそんな日本も、かつて革命的な大きな改革を二度、経験している。その一つは
明治維新で、そのきっかけは黒船来航でそれまでの鎖国から開国に至る改革があり、
幕藩体制は崩壊したが、忘れてならないのは多くの人が革命によって殺されたことだ。
いま一つは第二次大戦の敗戦で、それまでの軍国主義から民主主義へと舵を切った。
戦争は多くの命を失ったが、戦後生き延びても関わりあった者は徹底的に粛清された。
革命とは読んで字のごとし、命が改まることで関わった人は抹殺され、新しい人々に
変わることを意味している。現在の日本は選挙を見ていても斬新的改革を口にだけ
言っているだけで根本的に変わることはないし、憲法の文章の一字すら変えられない。
近未来に北朝鮮の核を積んだミサイルが飛んでくるとか、中国の軍隊が尖閣諸島
沖縄に攻め込んでくるとか、そういった現実帯びて初めて日本人が気付くのだろうか。
本来なら、その前に用意万端整えておくのが当然と思うのだが島国根性というものは
なかなか厄介なシロモノだ。日本の政治家、有識者をみて、なんだかなぁ、と思える。