隠居の独り言(1536)

東京五輪パラリンピック大会組織委員会会長の森喜朗元首相がテレビ出演の中で
東京都内の幹線道路を封鎖して競技を行う平日を「休日」とする特別措置法の制定を、
与野党に求める考えを明らかにしたという。森さん、思いつきで言うのは止めて欲しい。
そうでなくても日本は世界で休日や祝日が多すぎる。今年だって5月のGWに加えて
9月には「敬老の日」「秋分の日」を含めれば、土日と重ねて3連休が2つもあったが
人々は休んだ意味さえ知らずに、政治が国民を怠け者にしていると言って過言でない。
日本人は勤勉だから有給休暇を取りたがらない。だから法律をもって仕切る、という。
休日と経済の関連性は一概に言えないだろうが、働いている人達、たとえば農業に
従事すれば季節ごとの仕事があり、漁業に従事すれば魚群を追って休日は関係ない。
職人は物を作ってなんぼ、商人は物を売ってなんぼ。休めば収入が途絶えてしまう。
休日でどこかへ遊びに行けばそれに対応する人々が働いている。それぞれの職業で
日本経済が纏められて発展している現実を、政府の要人は考えたことがあるだろうか。
公務員や上場会社正社員を標準にして休日を横並びにすることは考え直してほしい。
休みよりも仕事が欲しいという人も大勢いるし、非正規雇用で安賃金に喘ぐ人もいる。
個々の生活を十把一絡げにする考えは、あまりにお粗末で政治家の資質を問われる。
日本は技術立国で、政府は休むことより働くことの大切を指導するのが役目だろう。
そもそも、オリンピック誘致理由は何なのか。国威のためか、一部アスリートのためか、
そして真夏に開催する理由も分からない。暑さ対策のため余分な費用も掛かるだろう。
ただでさえ東京は人も車も混み合い、そこに大量の外国人が来て、どれだけ渋滞など
起きるか心配しなくてはならない。宿のこと、言葉のこと、治安のこと、テロも心配だ。
少子高齢化の推移は五輪の開かれる2020年を境にして、人口が急激に減るという。
それに伴い経済も下降を辿るのは必至。国債赤字も天文学的でいつ返せるのだろう。
これからの日本人は遊んでいる場合じゃない。働かなくては日本の国が滅んでしまう。
森喜朗元首相に告げたい。あなたの考えは老害そのものだ!