隠居の独り言(1547)

国会では年金額を抑制する「年金制度改革法案」を審議している。今の高齢者への
年金額を減らし、若者世代が将来受け取る水準を想定以上に減らさないようにという
世代間のバランスを考えれば避けて通れぬ法案だ。しかしその前に今の年金格差を
何とかしてもらいたい。年金はおおまかに三つ。主に公務員が支給される共済年金
会社員が支給される厚生年金、どちらにも属さない職業の人に支給される国民年金
しかもその支給額の差は半端じゃない。三階建てとも言われ基礎年金(国民)が一階、
厚生が二階、共済が三階で国民年金だけだと平成25年度平均で54,544円、プラス
二階の厚生年金は145,596円、プラス三階の共済年金は203,031円。これはあくまで
平均で4倍もの年金格差を何とかしてもらわないと国保の多い国民が納得できない。
それに国保の人は一旦入った財布のお金から出して支払をしなければならないが、
給料から天引きとは気持ちの上で天地の差であることをサラリーマンは知ってほしい。
それは納税観であり実際に納税したことが無い人が増税反対のデモを見ると滑稽だ。
しかも先日、総務局統計が発表された老人夫婦の一か月の生活費は約260,000円で
年金だけでは食べていけない。突然の病気、怪我なども考えておかねば不安が募る。
ある程度のゆとりある生活をすれば35万は必要だが自己預金が絶対不可欠になる。
平均寿命80歳になった昨今は老後での年数は大幅に増えているのは結構な反面に
苦労も正比例して長くなる。若い時の人生設計がいかに重要であることを認識しよう。
自分も高年齢からして引退の時期だが、辞められない大きな理由に自分は職人衆と
長年、苦労を共にしたので国保だけで暮らす職人衆と離れるわけにいかない事情だ。
少しの工賃でも生活の足しになり、幸いに年老いても出来る仕事なので続けている。
今は仕事の内容は営業だが少しは頭も気持ちも使わなければならないので体に良い。
人生設計は若い頃からしないと歳取ってからでは間に合わない。自営業は無論だが
公務員、会社員でも若いうちから、きちんと蓄えの準備をしないと惨めな老後になる。
無駄遣いは止めたい。今は全ての世代で我慢しなければならない時代に来ている。