隠居の独り言(1551)

ロシアのプーチン大統領は、APECの開催地リマで日露平和条約交渉をめぐり領土で
北方四島は第二次大戦後、国際文書でロシアに主権があると承認された領土」だと
はっきり明言した。事前シナリオが完全に狂ってしまった。ペルーのリマで安倍首相と
プーチン大統領と70分に及ぶ会談を終えた安倍首相の表情は落胆した様子だった。
「解決に向けて道筋が見えてはいるが簡単ではない」と答えるのが精いっぱいだった。
恐らく安倍首相は会談で日本側が示した医療や都市整備、エネルギーなど8項目の
経済協力と引き換えに領土返還に向け何らかの言葉を引き出したかったに違いない。
ところがプーチンは、日ロ両国の貿易高が半年間で4割近くも減ったことを示して、
「第三国による政治的な措置の結果」と指摘し、ウクライナ問題で経済制裁を強める
欧米に足並みを揃える日本を批判したという。平和条約どころか北方領土2島返還も
絶望的な雰囲気だが、これで日露平和条約交渉も完全に「ご破算」になってしまった。
でもこれでいいと思う。そもそも日本も人が好すぎる。一般的な友達関係も相手とは
ギブアンドテイクで、いくらこちらが好意を示しても、乗ってこなければ話にもならない。
とにかくロシアという狡く、汚い国であることを1945年の敗戦の年を思い出してみよう。
アメリカ軍の相次ぐ空襲と完膚まで打ち負かされた原爆投下で瀕死の状態の日本に
当時結ばれていた日ソ不可侵条約を一方的に廃棄して満州にいた日本人に容赦なく
悪逆の限りを尽した悪魔のロシア兵は人間として許せない。そのうえ日本兵を拉致し、
極寒のシベリアで奴隷として働かせ数万人を死亡させた。そんな国を相手に交渉して
上手くいくとは思えない。北方領土を取り返したいのなら、二つの方法しかないと思う。
一つは第二次日露戦争で勝つ。もう一つは金を払う。戦争は無理だろうから領土の
積分の土地代金を払って取り戻す。シビアだけど、この方法しか解決が浮かばない。
ロシアと国境を接する各国は或いは騙され或いは戦争で領土を奪われた歴史がある。
今更、平和条約なんて要らない。ロシアに対する付き合いには歴史を顧みて心しよう。
来月のプーチン大統領来日の節、きちんと日本人の意思を伝えて破談にしよう。