隠居の独り言(1553)

今日から師走。今年2016年は歴史に残る年になるだろう。とりわけ欧米の変化には
予想しなかったこと二つ。6月にイギリスのEU離脱決定、11月にアメリカ大統領選で
トランプ勝利、世界のメディアは、ほぼ一致してイギリスEU残留アメリカ大統領選で
クリントン勝利を固く信じ、そうなるだろうと報道をしていたから、さぞや悔しかったろう。
EU離脱は「理性が感情に負けた」大統領選は「低学歴労働者の無責任な愚挙」とか
悔しさのマスコミの御説だが、この予想外の出来事は一見無関係のようで本質的に
一般大衆が昨今の急速なグローバル時代を迎えて各国国民の所得格差が急拡大し
中産階級が細り、持てる者と持たざる者に二分化されたのが原因を見抜けなかった
マスメディアは謝罪どころか、その無能ぶりの想定外を一般国民のせいにしている。
だからマスコミ報道は100%信頼してはいけない。早速アメリカ次期大統領トランプは
就任早々にTPP脱退発表予定しているが日本もそれなりに対応しなくてはならない。
そもそもTPPというのは各加盟国が輸入関税を抑えて自由貿易をしようという主旨で
とても良い協定と思うが、日本は反対するのは農業関係で輸出立国である我が国の
立場から云えば農業だって良い品質で世界に対抗するくらいの技術と勇気が必要だ。
戦後の食糧不足の時代から農業に対して、どれほどの税金を使ってきたか、農業に
携わる農家、農協など考えた事があるだろうか。コメに関しえ言えば778%の関税で
事実上輸入できないコメの価格は、消費者にとって70年以上国際価格の8倍以上の
値段で買わされ食べてきたことになる。食料自給率云々というけれど世界の国々でも
自給率が高くてもアルゼンチンのように破産する国もあれば低くても贅沢な国がある。
地方に旅すれば農家の何と裕福な暮らしなのか、農協の何と余裕の経営ぶりなのか。
比べて何の保護もない町の零細企業は苦しい生活に喘ぎ廃業・倒産も日常茶飯事だ。
政治家は選挙の票しか目に見えないようで、農家の保護ばかりの政策にうんざりする。
日本の政治よりトランプのTPP脱退の方が新鮮に感じるのは自分だけだろうか。