隠居の独り言(1555)

日露平和条約交渉にプーチン大統領が安倍首相の故郷・山口で会談するとかだが、
何と言っても日本の立場からは北方領土の帰属問題に尽きる。ロシアの立場からは
領土の日本の主権を認めないとのことで何なら今までの話は破談にしてもいいだろう。
先日の岸田外相とラブロフ外相との会談でも握手もしないのは既に先が見えている。
先だってイギリスが1945年戦争終結直前に開かれた米英ソのヤルタ会談の密約で、
米大統領ルーズベルトソ連スターリン首相に、戦後に千島、樺太の領有権を
認めることを条件にソ連の対日参戦を促したという条約に疑問を示したのを公表した。
アメリカは1953年秘密協定を破棄すると宣言していたのでロシアの北方領土占拠の
正当性は皆無だ。しかしイギリスも70年も経った今頃になって公表しても遅すぎる。
敗戦で連合軍は沖縄・小笠原を占領したが、ついでに樺太・千島も占領すべきだった。
どちらにせよ今回の日露平和条約交渉は時期尚早だと思う。日本人の性格なのか、
結論を早く求め過ぎるのは相手に足元を見られるだけで日本の損だと肝に命じたい。
このほどキューバカストロが亡くなったが、アメリカの目と鼻の先で社会政権を掲げ
喉に刺さった棘のような国だったけれど何故かアメリカはキューバを潰そうとしないで
遠く離れたベトナムイラク、アフガンに手を出しアメリカ兵の血を流したのは解せない。
世界は分からないことが多すぎる。アメリカ次期大統領のトランプも何を考えているか、
見当がつかない。とにかく日本も諸外国をあてにしないで自主独立の精神と防衛力を
付けなければならないことは世界で生きる以上必須の条件だろう。自衛隊の存在を
国民の90%以上が認めながら憲法に記すのは尻込みする。この矛盾は何だろう?