隠居の独り言(1579)

昨年、千葉大医学部の生徒や指導医が女性への集団暴行事件で警察に逮捕され、
嘆かわしく思っていた矢先に、今度は東京の東邦大医学部の生徒と、その卒業医が
同じ女性暴行事件を起こし、また京都では府立大病院の医師が暴力団組長のために
虚偽の報告を出していたとして警察が取り調べている。一般に尊敬される医師たちに
なぜ不祥事が続くのか。大学の医学部では何を教えているのか。もちろん大勢いる
医師の中で、ほんの一部だろうが、このような犯罪者や倫理観に欠ける医師の多さに
病院に通う患者として不安にならざるを得ない。そもそも医師になるための医学生
一般的な大学と違って6年間、相当な勉強と実習を積み上げないと医師になれない。
テストで一科目も落とせば来年度に進学できない厳しさだ。それは将来、医師になり
患者の病気を治す役目とあれば当然だろう。だからって医師を育成する医科大学
単に学力だけで成績や合格でなく人への思いやりや社会人としての良識、品格を
しっかり教えるのが大学医学部の務めだろう。6年をかけて勉強し医師国家試験をパスし、
研修医として2年の実習が無いと一人前になれない厳しい過程の医師の仕事だけに
患者から信頼され寄り添い真摯に向き合う自己研鑚を学生のうちから積んでほしい。