隠居の独り言(1594)

就職戦線華やかなりし昨今は、ビジネススーツを着た若者を多く見かける。この季節になると
新聞などで就職先人気ランキングを見るけど今年は大手商社が目につく。自分の若い時は
松竹・東映の映画会社が憧れだった。時が移って日航、東電、銀行、証券・・でも今が人気も
会社の将来と保証が分からない。中には傾いた会社も多くある。そして何処に就職をしても
所詮、会社の歯車の一つにすぎない。自分が子供や孫に伝えたいのは体に職をつけること、
きちんとした資格を取ることの二点で、自分の人生を一つの会社に捧げるなんて勿体ない。
人生は遺伝3割、環境3割、努力3割、運1割というけれど、これも全ては縁が基で決まる。
自分で親を選ぶことも男女の区別も選べない。生まれた家柄の環境も運の神が決めたことで
仕方ないが、しかし努力は誰のせいでなく、自らの計画と汗を流すことで人生が変わっていく。
努力は実力を産み、運は実力のうちになっていくし、努力次第で良き縁と良き運に恵まれる。
因果応報は必ずあり、全ての物事は原因だけでは結果は生まれない。因と縁が結び付いて、
初めて結果となる。人生は歳取ってみないと分からないことがある。84歳になった今になって
因果がしみじみと感じることが多くなった。成したこと、悔いが残ること、取り返しがつかない
過去の出来事の上にあって、これで良かったのか、答えのない問答が繰り返し脳内をよぎる。
これが老人というもの、自分にカッコ付けるなら良い部分を残し、悪いのは捨てる努力をする。
人生のゴールは近いが最後まで希望と美学を持ちたい。