隠居の独り言(1607)

昔、人類も野生で生きていた。野生というのはいつ餌にありつけるか分からない。そのために
全ての臓器は飢えを前提に創られていて、たとえ餌が無くも50日程度は充分に生きられる。
例えば肝臓の大きさが赤子から大人まで変わらないのも栄養蓄えるのを果たしているからで
その他の臓器も生きるための道具であり余分なものは何一つない。しかし飢え前提の臓器を
今のように酷使していれば臓器が悲鳴を上げる。飽食時代は臓器の休憩時間も与えない事、
進化論からしても飽食に慣れるには100万年単位が必要といわれているので注意が必要だ。
癌や糖尿病が増えているが、昔のままの臓器を無視した過労が原因なのは言うまでもない。
病気にならないためには自分を律することが必要で、一回だけの人生を有意義に過ごすには
自分の体を知ることが重要で、たまに野生の時代を振り返ってみよう。餌を探すため野山を
駆け巡った。餌には頭や勘を頼ったことだろう。食欲は人間の最大の本能でそのため生きた。
今の時に当てはめれば野山は運動に繋がり、飢えは小食に繋がり、勘は生き甲斐に繋がる。
人は誰も最終がある。その時まで健康で暮らすためにも野生時代を忘れてならないと思う。