隠居の独り言(1619)

坂本龍馬吉田松陰クレオパトラなどを歴史教科書から削除する答申がなされているという
報道があった。暗記教育からの脱却が目的だそうだが、文部科学省はなのを考えているのか。
小学生辺りの最も頭が柔らかい時期に、暗記と創造が大切なのに逆に脱却とは呆れ果てる。
昔の小学校の国語教育はとにかく暗誦だった。教育勅語、般若心経、宣戦布告勅語まで・・・
教育勅語は毎朝の朝礼で校長先生が黒い漆箱に入った勅語を丁寧に取り出し一礼をして
厳かに「朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ・・チンオモウニ
ワガコウソコウソウクニヲハジムルコトコウエンニトクヲタツルコトシンコウナリ」と朗読された。
子供の記憶侮るべからず。85歳寸前の自分だが今でも教育勅語は最後まで澱みなく言える。
今の陛下は自分と同じ昭和8年にお生れだが、お誕生の歌が学校の音楽の時間に歌われた。
「日の出だ日の出に鳴った鳴ったポーポーサイレンサイレンランランチンゴン夜明けの鐘まで
天皇陛下がおよろこび、みんなうれしいな、嬉しいなお母さん、皇太子さまお生まれになった」
北原白秋作詞、中山晋平作曲の軽快なメロディが街中で歌われ、幼少時代の自分も覚えた。
その他にもジンムスイゼイアンネイイトクコウショウコウアンコウレイコウゲンカイカシジン・・・
メイジタイショウショウワキンジョウ。歴代天皇124代までを何秒で言い切るかをみんなで競い
早い生徒は約20秒くらいで息も継がに一気に話すことができるのを自慢の材料にしていた。
それがどうしたと言われれば返す言葉も無いが、記憶力の養成に繋がったことは事実であり
昔の教育方針も悪くなかったと今でも思う。正直、今の若い人の言葉は貧弱なのは記憶力の
必要な国語の勉強の低下にも影響している。