森鴎外

予定を変更して鴎外についての小さな思い出ばなしを書いてみます。

父は藤村や鴎外、漱石が好きでその著作の殆んどが書棚に並んでいました。
小学生のころからワケも分からず目を通していた私だったですがなかでも
鴎外が好きでした。「鴈」など諳んずるぐらい読んだ記憶があります。
上京したときの休日にその舞台だった不忍池界隈を歩きました。無縁坂、
妾宅跡、旦那の屋敷跡（現在、横山大観記念館）そして蓮池等々、岡田、
お玉の悲恋物語が無垢？な少年だった私に強く印象を与えたのでしょう。

鴎外もなかなかに女性関係はおおらかだったようです。本妻のほかにも
チラチラと♀の影が見え隠れします。西洋かぶれ？もしていました。子供
の名前も於莵（オットー）不律（フリッツ）於莵（マリー）杏奴（アンヌ）
と付け、軍人で医者で小説家でを明治の動乱期を自らの努力で人生を切開き
粋でカッコよく生きた彼を私は今も理想の人と尊敬しています。

池の傍らの邸宅跡、水月ホテルにときどき、家内とランチに訪れています。