明治時代の男と女

島崎藤村は「若菜集」で男心と女心を次のように歌っている。
「男心をたとふれば、強くも草を吹く風か、
 もとより風の身にしあれば、きのふは東けふは西」
「女心をたとふれば、風に吹かるる草なれや、
 もとより草の身にしあれば、きのふは南けふは北」
風のようにアクティヴな男心も草のようにパッシヴな女心も
方角は同じようにその日その時によって変わるオトコとオンナ・・
現代では秋の空が「女心」のほうに多数派をしめてきたのは
女性たちの意識と社会的向上のなによりの証しかもしれない。