日米間に思うこと(11)

どんなに仲のいい夫婦でもケンカするときだってある。アメリカと安保条約を結んで
今年で45年になるが、基地の問題や集団的自衛権など考えさせられることが多いのは
日本人が国家の尊厳や自信を捨てて、アメリカに依存してきた今までの政策を続ける
ことは本当の独立国ではないし、戦後の占領が未だに続いていると言わざるを得ない。
しっかりとした自前の憲法を持ち、ゆるぎない自信に満ちた日本を復活してほしい。
有識者と称する人の中には平和憲法のお陰で今の日本の繁栄がある、とおっしゃるが
とんでもない間違いで、アメリカの核の傘の中に入れてもらえたから今の日本がある。
60年安保闘争のときはデモ隊が議事堂、首相官邸、米大使館などへ23万人強の
人たちが参加して安保反対を訴えたが、当時は左傾化したナショナリズムが流行的に
群集心理に走らせ騒乱した。けれど大山鳴動、冷静になれば安保の大切さに気が付く。
今までの平和が空気のように思うのは安保条約のお陰だが、この45年間に米ソの冷戦
終結し地域紛争が増えてきている実情に、そろそろ私たちも自分の国は自分で守ると
云う原則に立とうと目覚めないと、泥棒が入ってきてから縄を編むようなもので対応が
遅すぎる。近隣諸国の全ては徴兵制度を敷き、永世中立のスイスさえ国民皆兵である。
国家間の闘争心が避けられない国是としている以上は平和ボケしている場合じゃない。
先日、中国副首相の呉儀氏が、小泉首相との会談を直前にキャンセルして、帰国した。
常識的に考えてこんな人を馬鹿にした失礼な事はないが、中国に言わせると反論的に
「失礼な東洋鬼が何を言うか」と言う。東洋鬼とは人間ではなくて子犬(狗)である。
つまり日本人は犬以下の人間としか見ていない中国と付き合うにはその覚悟がいる。
極論すれば無法者と付き合う必要はない。絶交すれば困るのは中国で日本じゃない。
幸いにして日本は海洋国家で、目を海に向ければ太平洋を挟んでアメリカ・カナダ・
中南米・東南アジア・豪州など付き合う国々は多々ある。中韓だけが隣国じゃない。
戦争と平和」を心して考え、行動しなければならないトキは今を置いて他に無い。
明治以降の歴史を振り返るとき、アメリカと仲のいい時代は日本もいい時代だった。
多少の不一致やギクシャクはあっても、でも大局観から見ればアメリカは最高だ。
今も理屈では計れない、日米間の阿吽の呼吸のようなものがある気がしてならない。
親友のような日米間をいつまでも大切に保てる事を願っている。  了。