イラク

地球上で最も暑い場所はイラク近辺だそうだが、その暑い場所に自衛隊が派遣されて
水の補給や学校病院の建設に従事している。イラク派遣を反対する人たちの言い分は
アメリカへの追従や戦争の大義や隊員の危険などだが、日本経済の血液ともいうべき
石油の90%を中東から仰ぎ、まして世界第二の埋蔵量を誇るイラクを大切な友人として
付き合っていかなければ将来に悔いを残すことになる。ブッシュ大統領は戦争に突入
する前に十字軍を例にとって(十字軍はイスラム圏では禁句)ひんしゅくを買ったが
日本はアラブにとって宗教的にも潔白で先の大戦で植民地の解放に影響あったとされて
とても好意をもって見てくれる。イスラム文明に敬意を持って活動し、日本もかつて
戦禍から立ち直ったノウハウをイラクの人たちに伝える役目を自衛隊が担っているが
長い目で将来を見据えれば、世界のどの国より自衛隊の派遣が良かったと考える。
今、石油の価格が上昇して世界経済に悪影響が出始めている。あの地域が安定しないと
OPECの言いなりになって経済は混乱の度を増すだろう。アメリカの影響力が早く
発揮出来ないと日本にとってもマイナスだ。イラク戦争とエネルギーの関連性について
小泉さんはもっと国民に説明するべきなのだが、何故かその話がないのは不思議に思う。
イラク戦争に反対した仏独露の各国のエネルギーは別のルートなのと戦費の無駄使いと
首を横に振った。それぞれの戦略は我々が考えている以上に狡猾で一筋縄ではいかない。
日本の事情を考えれば戦争反対の情緒的な論理だけで片付く単純な問題ではなさそうだ。
それにしてもフセインの逮捕劇は喜劇以上の笑い話だ。「生き恥を晒す」とはこの事だ。
かつて国の首長で、息子二人も戦死して勝つ望みもないのに自決する美学がないのか。
もちろん彼の言い分もあるだろう。スンニ・シーア・クルドなど数知れぬ部族を統一
するには強圧以外にはないと何百万も殺戮した。「だからイラクがあった」と彼は云う。
でも幸せに生きる権利は誰もが持っている。それが彼には欠けていた。