健康診断

老いは誰も公平にやってくる。老いとともに体のあちこちが傷んできて病院通いが
多くなる。人体も部品のつなぎ合わせだから交換が出来ればいいがそうはいかない。
近い将来、遺伝子治療で弱い部分を新しいものに取り替えることが出来るかもねぇ。
その日が早く来る事を願うしかないが、それまでは自分の体を大切に保つしかない。
私は年一回の半日ドックと、半年ごとの血液検査をしている。半日ドックでは
消化器、循環器、呼吸器など五臓六腑の一通りの診断だが、半年ごとの血液検査は
三年前の大病のあとの数値を調べている。年を取っての病気は早期発見が大切と
重い腰を上げての病院通いだが、結果が出るまでの気分はその都度、憂鬱なもので、
人間はつくづく弱い動物なんだなぁと思う。鬱なときは感性も衰えて、見るものや
聞くもの食べるもの全ての五感に影響して、なにをしてもトゲが刺さっている気分だ。
医者に「大丈夫です、全て正常です」と言われると、瞬時に曇りから晴れに変わって、
万歳を叫びたくなって顔もほころぶ。現金なもので、その日の食事も普段より美味い。
先週の検査結果が甲種合格(死語?)の通知を受けて、その日はビールで酔った。
新聞報道によれば、ドックに行ったからって寿命の長さにはあまり変わらないそうで
安心感とか安堵感のために通っている私だ。例えば進行性の低分子ガンなどに罹れば
年一回の検査では間に合わないそうで、その人に与えられた運としか言いようが無い。
それより普段の食事、睡眠、運動の健康三原則を規則正しく守り生活すれば、あとは
神様がよしなに図ってくださるだろう。所詮人生は運そのものだ。