景気と人口(4)

私は古希を過ぎて年金もいただいている。そのうえ医療費も一般より支払い率が
安く、都の場合、都営の交通機関のパス券や都立の施設や公園など優遇措置が
とられ、まことにありがたく恩恵にあずかっている。年寄りを大切にする風土は
嬉しいが、考えさせられることがある。年齢別平均貯蓄高を見ると65歳以上の
所帯は約2500万円、65歳未満は約1400万円とある。あくまで数字の世界だから
まともに受け取り難いが景気の動向は年寄りが握っているといっておかしくない。
歳が来たからと一律に同じサービスを提供するのはいかがかと思うし、なにより
お金を持っているお年寄りに、消費に使ってもらうことが経済の活性化に繋がる
わけだから、年金一本化、寄付の税制、相続税など事細かに対策を練るべきと思う。
生産者も小売業も老人向けの商品の開発に力を入れた計画を練っていただきたい。
国鉄、電電、道路そして郵政など民営化されていくと合理化が進み失業者が増える。
赤字国債の原因は景気が悪いとして公共事業の発注を繰り返し、その場しのぎの
政策のツケだ。戦後復興の掛け声もあって日本全国建設ラッシュで沸きに沸いたが
気が付いてみると台所は火の車で借金にニッチモサッチモいかない。特に建設など
基幹産業の落ち込みが急激にひどくなり失業者があふれニートなどの言葉も出来て
冷えた気分になっているが戦後の廃墟から人々はわき目も振らずに一生懸命駆けて
きて目的もある程度達成出来た今、日本は大胆な発想の転換が求められている。
例えば日本の食糧自給率は僅か40%、先進国では最低だ。イギリス74%フランス
132%、アメリカ125%などだが、出来れば農業への転換がひとつのポイントだろう。
日本の田畑は荒れている。