戦争犯罪(4)

「一将、功なって万骨枯る」一人の独裁者の権力欲によって名も無き多くの人々が
苦しみを強いられ命までも犠牲になり奪われていく。最近では北朝鮮金正日
自国民への飢餓政策、反抗すれば強制収用所、そして自らのお金は自国の銀行には
預金せずにせっせとスイスあたりに送金している。共産国家、発展途上のTOPや
南米などの資産家たちは自分の生まれた祖国をどのように考えているのだろうか。
自国を信用できない権力者に祖国の政治を司る資格がないのは言うまでもない。
東京裁判で日本の指導者たちの清潔さに裁く連合国側の検事たちは驚いたと言う。
同じ枢軸国のドイツのリーダーたちは隠し預金がザクザク出て非難を浴びたそうな。
二十世紀はまさに人類史上未曾有の戦争と革命の世紀だった。その世紀のなかで
二度の世界大戦を経験した。けれど一次と二次の最大の違いは人間の持つ概念や
倫理観が変わった。一次は戦闘員同士の戦いであり二次は民間人も標的にした醜い
殺し合いであった。数字からも一次は900万の戦死者と50万の民間人の犠牲者、
二次は2700万の戦死者と3000万の民間人が犠牲になった。戦争の残虐、悲惨は
史書や小説、映画にもなって後世に語り継がれたが、それとて過去を振り返る
だけでは平和は訪れない。欲望がある限り世界のどこかで鉄砲の音がしている。
世界の歴史は戦争の歴史である以上戦争犯罪の種は尽きることはない。 了。