衆議院解散

参議院郵政民営化を否決されて小泉首相衆議院解散の決断を下した。
まことに小気味良いもので「有言実行」の小泉首相ならではの業だろう。
人は三人寄れば派閥が生まれると言うが自民党と言う派閥の親分の意見を
通さなければ党はあり得ず分裂も仕方ないことだろう。そもそも4年前の
総裁選挙で小泉純一郎を立てなければ今日の波乱もなく各議員の先生方も
安泰としていられたのに、この暑い夏の選挙に自民党を公認された方も
造反して公認されなかった方もご苦労な事だと思うが、近年にない面白い
選挙戦になることは間違いなさそうだ。民主主義とは理想的な制度だが
なかなか厄介で面倒な制度だとつくづく考えさせられる今回の造反劇だ。
小泉首相構造改革の本丸だった郵政が落城すれば改革は失速どころか
頓挫する恐れも出てきて誰が後を継いでも何時か民営化は避けられないと
知りながら意地と意地の張り合いで結局はこの為にますます大きくなる
改革エネルギーと増税のツケは国民に廻されてくるのは必定だ。“民”は
財政改革や人員のリストラなど血のにじむような努力でようやく日の目を
見るところに来ているのに“官”は相変わらずのその場しのぎの政策で
痛みを“民”と共に分かち合わないと今度こそ本当に日本丸は沈没する。
戦国時代の古いしがらみの慣習を打破した織田信長を自らに重ね合わせて
旗揚げをした平成の信長ははたして天下を取れるのか、はたまた本能寺で
滅ぶのか、天下分け目の決戦は奇しくも9,11で決する。