小泉純一郎(5)

小泉首相はオペラ鑑賞が好きで特にワーグナーがお気に入りらしい。ワーグナー
音楽は管楽器と弦楽器のハーモニーが素晴らしく他のオペラ作曲家の声楽重視の
作風と趣きが違ってオーケストラを重きに置いた作品が多い。「なりたい職業」の
一番はオーケストラの指揮者だが彼にとって自民党と云う交響楽団の不協和音が
許せなかったのはここからきている。誰かが音をはずせば音楽にならないからだ。
「たった一度の造反で公認しないなんて」と嘆く人もいるが議論は党の内部では
自由だが党則に反して投票すべきではない。民主党も右から左まで多種多様だが
国会の中では整然と行動を共にしている。議会制民主主義の基本がここにある。
今度の選挙は「郵政民営化」がテーマだが最近の小泉首相の演説は国家公務員の
削減を民営化の最優先順位に掲げている。もちろん小さな政府への一里塚にする
心算の言葉だろうが、もともと郵政改革を唱えていた理由は財政投融資の廃止で
膨大な資金が湯水のように流れ、先には天下りの温床となって諸悪の根源になり
それを改革するのが小泉首相の原点の発想だ。財投は既に改革がスタートして
今では強制的に国債を買うシステムになっているがその関連で住宅、道路公団
特殊法人などの改革が進められ、そのお金の出口の郵貯にとどめを刺そうとする
郵政民営化は長年の小泉の夢だった。夢が夢の途中で終るのか、実現するかは
蓋を開けてみなけりゃ分からない。今回の選挙もTVの目立ちたがり屋が多い。
タレント候補は前より随分減った気がするが、それでも背広にやっしーバッチを
付けた知事を真ん中に「チーム、ニッポン!」で一斉に腕を振り上げる5人の
パフォーマンスもあれば、カメラマンを従えてご機嫌に練り歩くライブドア
若い社長もいる。マスコミの悪いところは面白半分、興味半分にそれらに時間を
多く使って番組報道を流す事で、まっとうな人たちは違和感や疑問に思っている。
選挙は娯楽ではない!それは選挙民に対する愚弄と偏向な見方としか思えないし
TVや新聞の威力の奢りとしか感じられない。けれど国民の多くは日本の将来を
考え投票所へ出向くと信じている。公示8/30、投票9/11。日本が決まる! 了。